冷蔵庫の設定、買ったときからずっと「中」のままです…。「強」や「弱」に切り替えた方が電気代は安くなるのでしょうか?
季節や使用状況に応じて冷蔵庫の温度を調整すれば、ムダな電力消費を抑えられることがあります。本記事では、電気代を抑えながら、食材の鮮度を守るために知っておきたいポイントを紹介します。
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目次
冷蔵庫の設定温度「中」が標準とされる理由
多くの家庭用冷蔵庫は工場出荷時に「中」設定が標準になっています。食品保存と消費電力のバランスを考慮した最適な温度だからです。各メーカーや公的機関の案内では、「中」が年間を通じて目安として推奨されており、食品を安全に保存できる温度帯となっているようです。
冷蔵庫の冷蔵室はおおよそ3度から6度が適正温度とされています。一方、「強」は標準より2〜3度低く、「弱」は2〜3度高めになる場合が多いようです。
冷蔵庫の温度設定を変えると、年間でいくら節約できる?
冷蔵庫は工場から出荷される際に標準設定として「中」に設定されていますが、この設定を少し見直すだけで、電気代を節約できる可能性があります。
経済産業省資源エネルギー庁のデータによると、周囲の温度が22℃の環境で、冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」に切り替えた場合、年間で61.72kWhの消費電力を削減できるとされています。
では、これを実際の電気代に換算するといくらになるのでしょうか。電気料金の目安単価として、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示している「1kWh (キロワット時) あたり31円」を使用して計算してみます。
この単価で計算すると、61.72kWh×31円=1913.32円となり、年間で約1910円の節約につながる計算になります。設定を見直すだけで節約につながると考えると、見過ごせない効果といえるでしょう。
節電と食品保存を両立させる、温度設定の賢い使い分け方
節電は魅力的ですが、食品の鮮度を損ねてしまっては意味がありません。大切なのは、冷蔵庫の状況や季節に応じて、無理のない範囲で温度設定を調整することです。
まず基本として意識したいのが、季節に応じた設定の見直しです。大手メーカーの公式サイトでも、季節や使用状況にあわせて温度設定を変えることが推奨されているケースがあります。
たとえば、夏場など室温が高くなる時期は、庫内の冷却効率を保つために「中」から「強」へ設定を切り替えることを検討してもよいかもしれません。一方で、冬のように室温が下がる時期には、冷蔵庫の冷却負担も少なくなるため、「中」や「弱」設定でも十分なケースがあるようです。
また、庫内に食品を多く詰め込んでいる場合は、冷気が行き渡りにくくなり、冷却により多くのエネルギーを必要とする可能性があります。こうした場合には「強」設定が適しているでしょう。
このように、冷蔵庫の設定は一律に決めるのではなく、季節や庫内の状況に応じて柔軟に調整していくことが、節電と食品の品質維持の両立につながります。
温度設定以外にも!今日からできる冷蔵庫の節電テクニック
冷蔵庫の節電は、温度設定を変えるだけではありません。毎日のちょっとした使い方を見直すだけでも、ムダな電力を減らせる可能性があります。
まず意識したいのが、設置場所です。冷蔵庫は中の熱を外に逃がして冷やしているため、周囲に熱を逃がすスペースが必要です。壁や棚との間に少し余裕をもたせて設置すると、冷却効率が上がりやすくなります。どのくらいの間隔を空けるべきかは、取扱説明書で確認してみましょう。
次に気をつけたいのが、ドアの開け方です。開けている時間が長いと、冷気が逃げてしまい、それを冷やし直すのに電力がかかります。何を取り出すかを決めてから開ける、よく使うものは取り出しやすい場所に置くなど、ちょっとした工夫が節電につながります。
もうひとつ大事なのが、熱いものをすぐ入れないことです。できたての料理をそのまま入れると、庫内の温度が上がってしまいます。粗熱を取ってから入れるようにすれば、電力のムダを防げるでしょう。
冷蔵庫の温度設定を見直して、賢く電気代を節約しよう
冷蔵庫の温度設定を「中」のままにせず、季節や庫内の状況に応じて「強」や「弱」を使い分けることで、年間約1910円の節電が期待できます。
夏場や食品が多いときは「強」、冬場や庫内が空いているときは「弱」にするのが一般的な使い方です。さらに、壁とのすき間を確保する、ドアの開閉を手早くするなど、日々の工夫をあわせれば、より効果的に節電できるでしょう。
電気代が上がり続ける今こそ、冷蔵庫の設定を見直すだけでも家計の助けになります。まずは現在の設定を確認してみてはいかがでしょうか。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ型製品情報サイト 製品の選び方、使い方
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
