貯金が「1000万円」になったら預け先の銀行を分けた方がいい? 分けるべき理由と複数の口座を持つときの注意点を解説
本記事では、貯金が1000万円を超えたときに預け先を分けるべき理由や注意点などを解説します。貯金が1000万円を超えたら預け先を分けるべきか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
貯蓄が1000万円以上の人はどのくらいいる?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和6年)」によると、貯蓄が1000万円以上の世帯の割合は、以下の通りでした。
・1000万~1500万円未満:7.6%
・1500万~2000万円未満:4.0%
・2000万~3000万円未満:5.6%
・3000万円以上:11.2%
1000万円以上の貯蓄がある人は、28.4%であり、全体の3割近くいることが分かります。
貯金が1000万円になったら預け先の銀行を分けた方がよい?
貯金が1000万円を超えた場合は、複数の金融機関に分散して預けることをおすすめします。その背景には「預金保険制度」という仕組みがあります。
預金保険制度は、金融機関が破綻したときに一定の預金を保護してくれる制度です。預金の種類によりますが、利息のつく普通預金や定期預金などの場合は、1つの金融機関につき1人あたり元本1000万円までとその利息等が保護されることになっています。
つまり、預金保険制度の対象となっている銀行1行に1200万円を預けていると、万が一その銀行が破綻した際に200万円分は保険の対象外になり、返ってこない可能性があるのです。
例えば、いずれも預金保険制度の対象となっているA銀行に700万円、B銀行に700万円のように分けて預ければ、それぞれの銀行で1000万円まで保護されるため、合計1400万円すべてが守られる計算になります。このように、複数の口座に資金を分けることで、リスクを分散しながら確実に預金を守れます。
さらに、リスクは金融機関の破綻だけではありません。銀行のシステム障害やATMの停止など、一時的に口座が使えなくなるトラブルも起こり得ます。そのようなとき、ほかの銀行口座があれば、生活に必要なお金を引き出せるので安心です。
複数の口座を持つときの注意点
預金を安全に管理するうえで、口座を複数に分けるのは効果的な方法ですが、いくつか気をつけるべき点もあります。
まず、お金の移動にかかる手数料の問題です。別々の銀行に預けている場合、資金を移動させるときに振込手数料が発生するケースが多く見られます。ただし、条件を満たせば他行宛ての振込手数料が無料になるサービスを提供している銀行もあり、うまく活用することでコストをおさえられるかもしれません。
次に、口座管理の煩雑さです。複数口座を運用することで、キャッシュカードや通帳、ログイン情報の数が増え、情報の把握や整理に時間がかかります。
また、複数の口座で同じパスワードを使いまわすと、流出したときのリスクが大きくなります。そのため、口座ごとに異なるものを設定する必要があり、管理が大変になる可能性がある点に注意が必要です。
さらに、もし管理が行き届かなくなると、カードの紛失やIDの失念といったトラブルにもつながりかねません。必要以上に口座を増やさず、自分で把握できる範囲に留めることが、長期的に見てストレスの少ない口座管理につながります。
貯金が1000万円以上になったら預け先の銀行は分けた方がよい
貯金が1000万円を超えたら、預け先を複数の銀行に分けた方がよいでしょう。これは、万が一金融機関が破綻した場合に、預金保険制度で保護されるのは1つの金融機関につき1人あたり元本1000万円までとその利息などに限られているためです。
また、銀行を分けることで、システム障害などの突発的なトラブル時にも柔軟に対応できるというメリットがあります。生活資金や緊急用資金を別口座に確保しておけば、もしものときの不安も減るでしょう。
ただし、口座を増やすほど別口座への振込手数料や管理の手間が増えるため、必要以上に分けすぎないことも大切です。セキュリティー対策や口座情報の整理も忘れずに行い、自分で無理なく管理できるようにしましょう。
出典
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和6年)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
