最低時給が平均1118円になったいま「扶養内パート」続けて大丈夫? 年収130万円の壁を超えると“損する人・得する人”の分かれ目
年収130万円の壁を超えると社会保険の扶養から外れてしまい、手取りが減る可能性がありますが、一方で一時的な超過でも扶養内のままでいられる措置もあります。
この記事では、「130万円の壁」の仕組みや、超えたときに得する人・損する人の違いを分かりやすく解説し、これからの働き方のヒントをお伝えします。
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目次
「年収130万円の壁」とは? 仕組みを整理
厚生労働省によると、「年収130万円の壁」とは、配偶者の社会保険上の扶養から外れ、勤務先で社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入資格があれば自ら加入し、加入資格がなければ国民健康保険や国民年金保険の保険料支払いが必要となる年収のボーダーラインを指します。
これを超えると、保険料の自己負担が発生し、実質的な手取りが減ることになります。
なお、しばしば「106万円の壁」と混同されることがありますが、「106万円の壁」は、勤務先の規模や週の所定労働時間、所定内賃金などの条件を満たした際に、健康保険・厚生年金保険への加入義務が発生する年収となります。
「年収の壁」の緩和措置とその恩恵
最近では、こうした「年収の壁」を緩和する取り組みも導入されています。「年収の壁・支援強化パッケージ」と呼ばれる取り組みで、「130万円の壁」に対しては、繁忙期などで一時的に収入が上がって年収が130万円を超えても、事業主がその旨の証明をすることで引き続き扶養のままでいられるという仕組みがあります。
また、「106万円の壁」に関しては、最低賃金の引き上げなどの状況を踏まえて、将来的に撤廃される予定です。さらに、令和7年度の税制改正によって、税制上の「年収の壁」も見直され、今後は働く時間を増やすことで手取りも増える可能性があるでしょう。
扶養を外れたらどうなる? 「得する人・損する人」の分かれ目
扶養を外れたとき、誰もが損をするわけではありません。一般的に損をする人の典型としては、保険料負担が増えるだけで、手取りの増加がほとんど見込めないケースです。例えば、年収130万円を少し超えただけでは、保険料の分だけ手取りが減ってしまう可能性があります。
一方で、得するケースもあります。社会保険に加入することで将来の年金額が増え、病気や出産時には傷病手当金や出産手当金が受けられるなど、保障の幅が広がります。税制改正によって控除の範囲が広がれば、同じ働き方でも手取りが増える場合もあるでしょう。
まとめ:最低賃金が上がったいま、扶養内パートは続けるべき?
最低賃金アップにより、扶養内で働き続けるための勤務時間の調整はこれまで以上にシビアになるでしょう。扶養に入り続けるか、あえて外れて健康保険の保障や将来の年金額を充実させるかは、人によって最適解が異なります。
大事なのは、制度の仕組みと最新情報を理解し、自分や家族のライフプランに合わせて選択することです。
出典
厚生労働省 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について
厚生労働省 『年収の壁について知ろう』(11ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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