室外機の“日よけ”って本当に電気代の節約になるのでしょうか? 設置の仕方によっては“逆効果”と聞いたのですが、どのような点に注意すればいいですか?

配信日: 2025.08.20
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室外機の“日よけ”って本当に電気代の節約になるのでしょうか? 設置の仕方によっては“逆効果”と聞いたのですが、どのような点に注意すればいいですか?
夏になるとエアコンの使用頻度が増え、電気代が気になる人も多いのではないでしょうか。その節電対策のひとつとして、「室外機に日よけをつけると電気代が安くなる」という話を耳にすることがあります。一方で、「日よけが逆効果になることもある」といった声も見かけ、実際にはどうなのか気になる方もいるでしょう。
 
そこで本記事では、室外機の日よけが本当に電気代の節約につながるのか、その仕組みと注意点、さらに実際どれくらい費用が変わるのかを解説します。
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本当に節電になる? 室外機の日よけの「効果」と節約額

室外機は、屋内の熱を外へ放出する役割を担っています。しかし、夏の直射日光が室外機に当たると、本体が高温になり、効率よく放熱できなくなります。その結果、冷房の利きが悪くなり、エアコンがフル稼働して電気代が上がってしまうのです。
 
こうした背景を受けて、環境省は室外機に日陰を作ることを節電対策として推奨しています。日よけ対策をすることで、電力使用量が5~15%削減できるといわれており、一定の効果が期待できる対策といえるでしょう。
 
では、電気代はいくら変わるのでしょうか? 例えば、エアコンの冷房で1ヶ月当たり6000円の電気代がかかっている家庭であれば、5%削減で300円、10%削減で600円、15%削減で900円節約できるという計算になります。エアコンを3ヶ月使うとすれば、年間で3600~2700円の節約になる計算です。
 
つまり、数千円で購入できる日よけグッズを取り付けるだけで、数年で元が取れる節電効果が期待できるというわけです。
 

要注意! 逆効果になってしまうNG設置例とは?

ただし、日よけ対策は設置方法を間違えるとせっかくの節電対策が逆効果となり、電気代が上がることもあります。
 
よくある失敗は、室外機の排気口や吸気口をふさいでしまうような設置です。空気の流れが妨げられると、室外機が効率よく動けず、エアコンの消費電力がかえって増えてしまいます。
 
また、断熱シートやアルミ板など、通気性がない素材でぴったり覆ってしまうのも危険です。熱がこもってしまい、室外機に余計な負荷がかかることで、電気代が増加するだけでなく、故障のリスクも上がります。ほかにも、すだれやよしずを室外機に密着させてしまうと、ファンに接触して異音や劣化の原因になりますし、火災のリスクもゼロではありません。
 
「日よけをつける=なんでも効果がある」ではなく、通気性と設置位置が非常に重要です。設置前に、室外機の構造や風の通り道をよく確認してから取り付けるようにしましょう。
 

失敗しないための設置ポイントと費用対効果

日よけを効果的に活用するには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
 
1. 通気性の高い素材を選ぶ
遮熱ネットやメッシュ素材など、風を通しながら直射日光を遮るタイプがおすすめです。密閉性の高い素材は避けましょう。
 
2. 室外機と日よけの間に空間を作る
室外機に直接ふれないよう、数センチメートル〜10センチメートル程度の隙間を空けて設置することで、排熱の流れを妨げません。
 
3. 上部中心に設置し、側面は必要に応じて
太陽の角度によっては側面からの日差しも入るため、状況を見て側面にも日陰を作る工夫があると効果的です。
 
なお、ホームセンターやネットショップで販売されている室外機用の日よけグッズは、1000〜3000円前後で手に入ります。
 
仮に年間2000円節電できるとすれば、1〜2年で初期費用を回収できる計算になります。実際の節約額は設置環境や使用状況、機種によって差がありますが、正しく設置すれば数年間使い続けられるため、中長期的にはお得といえるでしょう。
 

室外機の節電対策は「日よけ+α」でさらにお得に

日よけだけでなく、以下のような小さな工夫をいくつか組み合わせると、さらに電気代を抑えることができます。
 
・室外機の周りを掃除する
ほこりやゴミを取り除くと、熱の放出がスムーズになります。
 
・周囲にモノを置かない
植木鉢や家具が近くにあると、空気の流れを妨げてしまいます。
 
・エアコンのフィルターを掃除する
2週間~1ヶ月に一度の掃除でエアコンの効率が保たれ、電気代を抑えられます。
 
これらの工夫は、すべて追加費用ゼロでできる節電対策です。日よけとあわせて実践すれば、月に数百円、年間で数千円の節約も無理なく目指せます。
 

日よけの工夫ひとつで、電気代はぐっと変わる

室外機に日よけを設置することで、夏場の電気代を月300〜900円ほど削減できる可能性があります。これは、エアコンの使用が多い家庭にとって、見過ごせない節約効果です。ただし、設置方法を誤ると電気代が上がるリスクもあるため、通気性・設置位置・素材選びには注意が必要です。
 
また、日よけ以外にも掃除や風通し、フィルター掃除など、無料でできる節電対策はたくさんあります。これらを上手に組み合わせることで、無理なく家計を助けることができます。ぜひ、今年の夏は室外機の環境を見直し、正しくかつ賢く節電に取り組んでみてはいかがでしょうか。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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