年収400万円のリアルな生活費内訳…家賃、保険、外食いくらまでなら余裕?
そのため、実際生活を始めると、想像以上に家計が厳しいと感じる方も少なくありません。
この記事では、単身世帯における年収400万円で生活する際の家計の内訳を解説します。
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年収400万円の手取りはいくら?
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は460万円でした。この額から見ると、年収400万円はおよそ平均より少し低めであることが分かります。
年収400万円の手取りは、各種控除や家族構成、年齢などによって異なりますが、独身の場合で315万円程度でしょう。これを月額に換算すると、約26万円で、この金額をベースに毎月の生活費をやりくりします。
家計の黄金比率で概算
手取り額をどのような割合で配分するか、ここでは家計の黄金比を参考にしましょう。
家計の黄金比とは、生活費を「生活に必要な支出」「ぜいたく費」「貯蓄」に分けて、それぞれの割合を「5:3:2」に設定する方法です。上記の金額で概算すると「5:3:2=約13万円:約7万8000円:約5万2000円」です。
「生活に必要な支出」とは家賃や食費、光熱費など生活での必需品に関する費用のことを指します。「ぜいたく費」は外食や娯楽、趣味など楽しむために使う費用、「貯蓄」は貯蓄や投資など、将来を見越して貯めるお金のことです。この黄金比率を守ることで、家計を健全に保ちながら、無理のない家計管理がしやすくなるでしょう。
年収400万円の1ヶ月における平均的な消費支出の内訳
総務省統計局の「家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年」を基に、年収400万円付近の単身世帯における1ヶ月当たりの平均消費支出額の内訳を見てみましょう。
表1
| 費目 | 300万円~400万円 | 400万円~500万円 |
| 消費支出計 | 約18万3000円 | 約18万9000円 |
| 食費 | 約4万4000円 | 約4万6000円 |
| 住居費 | 約3万3000円 | 約3万円 |
| 水道光熱費 | 約1万2000円 | 約1万2000円 |
| 家具・家事用品費 | 約5000円 | 約8000円 |
| 保健医療費 | 約1万1000円 | 約9000円 |
| 被服及び履物費 | 約5000円 | 約5000円 |
| 交通・通信費 | 約2万2000円 | 約2万6000円 |
| 教育娯楽費 | 約2万3000円 | 約2万2000円 |
| その他の消費支出 | 約2万8000円 | 約3万2000円 |
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年」を基に著者作成
前述の家計の黄金比によると、月収約26万円の場合、1ヶ月の支出予算は「生活に必要な支出」と「ぜいたく費」を合わせて約21万円です。
消費支出を20万円弱に収める場合の各項目における予算を、表1も参考にしつつ概算してみます。家賃は手取りの2割程度が理想とされるため5万円台、食費は表1より5万円以内とします。水道光熱費が約1万2000円、保健医療費は1万円台とします。おおむねの金額ですが、上記で予算を組むと、余裕のある生活を送れる可能性があるでしょう。
家賃・食費・保険料の予算に関するポイント
最後に、家賃と食費、保険料をそれぞれの予算内に抑えるコツを紹介します。
(1)家賃
家賃は給料の2割程度が理想とされているため、月の手取りが26万円程度の場合、5万円台で抑えることが理想です。家賃を抑える工夫としては、都市部から離れたエリアや築年数が古い建物、設備を妥協するなどがあります。固定費の中で家賃は大きな割合を占めるため、できる限り安く抑えたい項目です。
(2)食費
食費は5万円以内、そのうち外食費は1万5000円程度に収めましょう。外食は自炊に比べてコストがかさむため、頻繁に利用することは避け、自炊費とのバランスも考えて外食費の上限を決めるとよいかもしれません。
節約意識を持って、買い物の頻度や作り置きの活用などの工夫を、日頃から積極的に行うことをおすすめします。
(3)保険料
保険料は家計の負担にならないよう、収入の5%~10%程度が目安とされています。手取り約26万円であれば、1万円台が理想です。保険は万が一のときに備えるものであるため、必要な保障と不要な保障の見極めが重要といえます。
保険料が、支払い続けるのに負担にならない金額か、また本当に必要な保障なのかなどを確認して選ぶとよいでしょう。将来の有事に備え、あくまでも家計の負担にならない程度で備えておくことをおすすめします。
まとめ:無理なく家計バランスを整えよう
年収400万円で独身の場合、月の手取り額は約26万円、支出額の予算は20万円以内が理想です。家賃は5万円台、食費は5万円以内を目安にし、保険料は1万円台であれば無理なく支払い続けられる可能性があるでしょう。
家計バランスが整っていると老後生活に向けて貯金をしつつ、一定水準の生活を送れます。事前に目安の額を把握した上で予算配分を行い、無理なく充実した日々をお過ごしください。
出典
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 2024年 表番号 5 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 年間収入階級別
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
