高齢の母が一日中「テレビ」を“つけっぱなし”にしています。これを消すだけで電気代はどのくらい“節約”できるのでしょうか?
ただ、「つけっぱなし」が続くと、当然ながら電気代が気になります。では、実際にどれくらいの電気代がかかっているのでしょうか? テレビをこまめに消すだけで、どれくらいの節約ができるのかを具体的に見ていきましょう。
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目次
そもそもテレビの消費電力ってどれくらい?
テレビの電気代を計算するためには、まず「消費電力」を知ることが必要です。消費電力とは、テレビが動作するのに必要な電力量のことで、一般的にはW(ワット)という単位で表されます。
最近の液晶テレビの消費電力は、32型が約40~60W、40型が約60~100W、55型が約120~180W、65型が約170~240Wとサイズによって大きく異なります。
もちろん、これはあくまで目安です。メーカーやモデル、テレビの設定(画面の明るさや音量)によっても変わります。また、有機ELテレビや旧型のプラズマテレビは液晶よりも消費電力が高くなる傾向にあります。
電気代はいくら? つけっぱなしはどのくらい損?
では、上記の消費電力をもとに、一日中テレビをつけっぱなしにした場合の電気代を計算してみましょう。電気代は、「消費電力(W) ÷ 1000 × 使用時間(h) × 電気料金(1kWhあたりの単価)の式で求められます。
現在の電気料金の単価は、1kWhあたり31円とします(公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会の目安単価(税込み))。この単価を使用し、上記の式に当てはめて1日24時間テレビをつけた場合で算出してみると、1日と1ヶ月あたりの電気代は以下のようになります。
・32型テレビ:(40W)約30円/日 → 約900円/月~(60W)約45円/日 → 約1350円/月
・40型テレビ:(60W)約45円/日 → 約1350円/月~(100W)約74円/日 → 約2220円/月
・55型テレビ:(120W)約90円/日 → 約2700円/月~(180W)約134円/日 → 約4020円/月
・65型テレビ:(170W)約126円/日 → 約3780円/月~(240W)約179円/日 → 約5370円/月
つまり、32型テレビを一日中つけっぱなしにすると、月に1350円、65型の大型となると5000円以上の電気代がかかっていることになります。これを、見ていない時間に消すようにするだけで、大きな節約につながるのです。
待機電力も無視できない! 意外と積もる“見えないコスト”
テレビをリモコンでオフにしていても、実は完全に電力の使用が止まっているわけではありません。多くのテレビは「待機電力」として、リモコン信号を受け付けるために電力を少し使い続けています。
待機電力は小さいサイズが0.1W、大きいサイズが1.0W程度、平均で0.3W程度ですが、これも積み重なると意外に大きな額になります。
例えば、0.5Wの待機電力が24時間続くと、1日あたりの電気代は約0.37円です。1ヶ月にすると約11円、1年で約130円になります。少額ではありますが、使っていないのに発生する出費という点では、やはりもったいないと思われるでしょう。
電源タップでテレビのコンセント自体を切ることで、この待機電力もゼロにできます。ただし、録画予約やネットワーク機能が使えなくなることがあり、特に高齢の方が操作する場合は利便性や安全性も考慮して、無理のない範囲で行うようにしましょう。
節約の第一歩は「見ない時間には消す」ことから
テレビのつけっぱなしは、月々数百円から数千円の電気代の差につながります。特に大型テレビを使用している家庭では、電気代だけで月1000~3000円程度の節約になる可能性もあります。電気代は一度払ってしまえば見直す機会が少なく、「ちりも積もれば」の代表的な出費です。
また、タイマー機能や省エネモードを活用することでも、無理なく節電することができます。電気代の節約は、環境にも家計にも優しい行動です。
まずは「テレビをつけっぱなしにしない」習慣を意識することが、節約の第一歩です。お母さまが安心するためにテレビをつけている場合は、その気持ちも大切にしつつ、「見ていないときだけは消そうね」といったコミュニケーションから始めてみるのもよいでしょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問 Q&A その他の質問 Q カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
