50代で住宅ローンを完済し“月8万円浮いた”はずなのに…生命保険・子への仕送りで消える?60代目前“老後2000万円”に届かない現実とは
本記事では、50代から60代目前の家計と老後資金の現実を探り、今すぐ見直せるヒントを紹介します。
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住宅ローン完済はゴールではない?
住宅ローンを完済したことで、毎月8万円ほどの支出が削減できると考えていても、いざ返済が終わってみたら家計の状況があまり変わっていないという声も多く聞かれます。
50代後半になると、住宅ローンの返済が終わっても、終身保険・医療保険・がん保険などの高額な生命保険料の維持費が重くのしかかることがあるでしょう。また、子どもの仕送りや教育費、実家の親の介護サポートにかかる費用など、第2の支出ラッシュが始まる時期でもあるのです。
そのため、住宅ローンの完済をゴールではなく、新たな家計管理のスタートと捉えましょう。
50代で見直すべき3つの支出ポイント
50代は、老後の生活が現実味を帯びてくる年齢でもあります。住宅ローンの完済や子どもの独立など、家計の変化が起きやすい時期です。
ここでは、50代で見直すべき3つの支出ポイントを紹介します。毎月の固定費や保険の内容などを見直すことで、老後に向けてゆとりのある家計となりやすいでしょう。
生命保険は必要保障額を再計算してスリム化
50代になると、子どもが独立していたり、住宅ローンを完済していたりする家庭も多いのではないでしょうか。そのため、万一のときに備える「死亡保障」は以前ほど必要ではなくなるかもしれません。
一方、病気やけがに備える医療保険や将来の介護リスクに対応できる保険の重要性は高まります。また、退職後は収入の減少も想定されるため、今の保険料を今後も払い続けるかという視点を持つことが大切です。
預貯金とのバランスを考えながら、不要な保障をスリム化し、必要な部分だけ残すよう見直しましょう。
固定費の見直しと「生活コストの引き下げ」
老後に向けて家計を整えるなら、まずは毎月かかる固定費を見直しましょう。例えば、スマホやインターネットの料金プラン、利用頻度の少ないサブスクリプション、車の維持費などの負担がどのくらいか確認してみてください。気付かないうちに家計を圧迫しているかもしれません。
50代はまだ現役で働いている方も多く、見直しの余地があるうちに老後仕様の家計に整理しておくことが大切です。支出を下げる工夫を今から始めれば、将来の生活不安も軽減できます。
子どもへの仕送り・支援の「期限」を明確に
子どもが社会人になってからも、家賃や生活費の一部をサポートしている家庭もあるでしょう。長期間続けると自身の老後資金を圧迫してしまう可能性があります。そのため、子どもへの仕送りは期限を決めておくことが大切です。話しにくいテーマではありますが、将来の家計を守るために、子どもとしっかり話し合いましょう。
60代になる前に始めたい老後資金の立て直し術
60代になる前に老後の資金を見直したいと考えていても、何から始めたらいいか分からない方も多いでしょう。ここでは、60代を迎える前に取り組みたい老後資金の立て直し術を紹介します。
家計の「見える化からスタート
老後資金を立て直す第一歩は、自分の家計をしっかり把握することです。何にいくら使っているのか分からない状態では、無駄な支出に気付けません。
家計の見える化には、家計簿アプリや自作の簡易家計表、銀行口座の収支管理機能などが役立ちます。これらを活用して、毎月の収入や支出、貯金額、資産の全体像を「見える化」することで、節約のポイントや今後の資産計画が立てやすくなります。
資産運用やiDeCo・NISAの活用も視野に
50代からの資産運用は遅いのではとためらう方もいるでしょう。しかし、50代からでも始められるお金の増やし方はあります。代表的なのが、iDeCoやNISAでしょう。
まず、iDeCoは、掛け金が全額所得控除になるため節税効果があり、将来の年金として受け取れます。つみたてNISAは、毎月少額から投資でき、利益に税金がかからないという特徴があります。
どちらもリスクを抑えながら長期的にお金を増やしていける制度のため、預貯金だけでは不安という方の心強い味方になるでしょう。
住宅ローン完済後こそお金の見直しが必要
住宅ローンを完済しても、保険料や子どもへの支援など、意外と出費は減らないものです。老後への備えには、家計の見直しや支出の整理が欠かせません。保険や固定費をスリム化し、家計を老後仕様に整えることで、ゆとりのある60代を迎えられるでしょう。ローン完済をゴールではなく、新たな家計管理のスタートと捉えることが大切です。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
