40代で年収700万円あります。“生活で精一杯で貯金できない”は甘えですか?40代の一般的な貯蓄額を解説

配信日: 2025.08.23
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40代で年収700万円あります。“生活で精一杯で貯金できない”は甘えですか?40代の一般的な貯蓄額を解説
高収入に見える「年収700万円」ですが家族構成や住む地域によっては、家計の余裕はわずか数万円ということもあるようです。実際、40代の貯蓄額には平均と中央値で大きな差があるのです。その現実を知ると、「貯められない」のは決して特別なことではないと分かるでしょう。
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年収700万円でも手取りは約530万円……。子育て世帯には意外と余裕がない!?

年収700万円場合、税金や社会保険料を差し引いた手取りは、年間530万円(月額約44万円)ほどと想定されます。国税庁が公表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、「年収700万円」という金額は日本の給与所得者全体の4.9%にあたり、高収入層といえるでしょう。
 
ただし、生活費がかさむと貯蓄は思うように進みません。総務省が公表した「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、単身世帯の平均消費支出額は「16万9547円」です。
 
一方、二人以上の世帯の場合の平均消費支出額は「30万243円」です。数字だけで見ると余裕があるように思えますが、あくまでもこの数字は平均額です。世帯人数や住んでいる場所、車の有無などの状況によってこの金額は変わってくるでしょう。
 
特に都心部では家賃や食費の負担が重く、「生活で精いっぱい」と感じるのも自然なことといえるでしょう。
 

実際に40代はどれくらい貯めている? 平均と中央値で見る貯蓄事情

金融広報中央委員会の調査によると、令和5年度における40代の貯蓄状況は表1の通りです。
 
表1. 40代の貯金額と金融資産

単身世帯 2人以上の世帯
預貯金の平均 473万円 501万円
金融資産の平均 559万円 889万円
金融資産の中央値 47万円 220万円

※ 金融資産とは、生命保険や投資信託など
 
出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯][二人以上世帯](令和5年)」を基に筆者作成
 
このように平均値と中央値に大きな差があるのは、高資産層が平均を押し上げているためであり、実態を示しているとは限らない点に注意が必要です。
 

「生活で精いっぱい」は甘え? 現実的な貯蓄の視点とは

「年収700万円あるのに貯金できないのは甘えか」という疑問に対して、データを踏まえると一概にはいえません。実際には、手取りと支出のバランス、ライフスタイル、都市部か地方かといった居住環境、家族構成など、複数の要因が重なり「貯められない」状況が生まれているからです。
 
一方で、中央値で見ると、単身世帯は47万円、2人以上の世帯は220万円の貯蓄を持つ層も存在します。工夫や節約、資産形成への意識を高めれば、貯蓄ゼロからでも平均程度の蓄えを築くことは十分可能でしょう。
 

まとめ

年収700万円という水準は、世間的には「高収入」の部類に入ります。しかし、実際の手取りは530万円前後にとどまり、家族構成や住んでいる地域によっては、毎月ほとんど余裕がないと感じるのも自然なことでしょう。データを見ても、40代の貯蓄額は平均と中央値に大きな差があり、決して誰もが順調に貯金できているわけではありません。
 
大切なのは「貯金できないのは甘え」と自分を責めることではなく、自分の家庭やライフスタイルに合った無理のない改善策を考えることです。自分に合った方法で「今の生活を大きく崩さずに貯める工夫」を積み重ねていくことが、何より現実的で前向きな答えといえるでしょう。
 

出典

国税庁長官官房企画課 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-(22ページ)
総務省 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要(15ページ)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)二人以上世帯/単身世帯 各種分類データ 表番号4、5
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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