1日中「エアコン」をつけていたら電気代が“2万円”を超えてしまいました…。「1日8時間」に減らしたらどのくらい電気代は安くなりますか?
近年は電気代そのものの高騰もあり、少しでも電気代を節約したいと考える人は多いはずです。この記事では、エアコンの稼働時間を減らすと、実際のところ、どの程度電気代の節約になるのか詳しく解説します。
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目次
電気代の2024年月額平均は「1万2008円」! 2025年は電気代の高騰が顕著
まず始めに、全国的な電気代の価格平均はどの程度の金額なのか、データをもとに見てみましょう。
総務省統計局が発表している「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 2024年」によると、二人以上の世帯における電気代は、2024年全体の平均額が月額1万2008円となっており、各月ごとの平均額は表1のとおりとなりました。
表1
| 1月 | 1万2376円 |
| 2月 | 1万3639円 |
| 3月 | 1万3780円 |
| 4月 | 1万2799円 |
| 5月 | 1万1013円 |
| 6月 | 9562円 |
| 7月 | 9896円 |
| 8月 | 1万2225円 |
| 9月 | 1万3831円 |
| 10月 | 1万3028円 |
| 11月 | 1万591円 |
| 12月 | 1万1352円 |
※筆者作成
一方で、2025年以降において、執筆時点で発表されている6月までの二人以上の世帯における電気代の平均額を表2にまとめたところ、いずれの月も平均額が昨年度より上回っていることが分かりました。
表2
| 1月 | 1万4904円 |
| 2月 | 1万6552円 |
| 3月 | 1万6559円 |
| 4月 | 1万4805円 |
| 5月 | 1万2220円 |
| 6月 | 1万709円 |
※筆者作成
このように電気代が高騰した理由として、化石燃料の価格上昇や供給量の減少、ウクライナ侵攻による市場価格の高騰など、さまざまな問題によって引き起こされています。
「エアコン」の電気代の目安は? 1日8時間に減らすとどのくらい安くなる?
電気代の価格高騰は、さまざまな要因が折り重なって発生しており、短期的に価格高騰がおさまる見込みは少ないともいわれています。
では、エアコンを24時間つけっぱなしにした場合と、1日8時間のみ稼働させた場合とでは、ひと月あたりの電気代はどの程度の差が生まれるのでしょうか。1時間あたりのエアコン稼働時の電気代は、以下の計算式によって算出されます。
・消費電力(kW)×電力料金単価(円/kWh)×1(時間)
このうち、消費電力は各エアコン製品のカタログなどに掲載されている値を参考にします。一方で、電力料金単価は、契約している電力会社によって金額が異なります。
そこで今回は、消費電力は0.5kW、電力料金単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている、目安としての料金単価である「31円/kWh(税込み)」を当てはめて計算するものとします。
●1時間あたりの電気代目安:0.5kW×31円/kWh×1時間=15.5円
●24時間あたりの電気代目安:15.5円×24時間=372円
●8時間あたりの電気代目安:15.5円×8時間=124円
これを1ヶ月(30日)換算すると、24時間つけっぱなしの場合は1万1160円、8時間のみ稼働させた場合は3720円と、その差は7440円と3分の1程度にまで抑えられることが分かりました。
9月使用分までは国の「電気・ガス料金支援」を受けられる
また、近年のエネルギー高騰の影響を受け、国としても消費者への支援対策が行われています。2025年においては、エアコンをはじめ電気代の使用が増加する7月から9月の使用分について、「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として、料金を引き下げる支援策を講じています。
なお、月々の値引額の目安は、経済産業省資源エネルギー庁の電気・ガス料金支援Webサイトにてシミュレーションが可能になっており、電気・ガスの各小売事業者が使用料に応じた値引きを行うため、個別の申請手続きは不要です。
まとめ
エアコンは、月々の電気代のなかでも多くを占める家電製品のため、使用を控えてどのくらいの節約効果があるのか気になる人も多いのではないでしょうか。
実際のところ今回の試算では、つけっぱなしにした場合よりも1日8時間の稼働に減らしたほうが大幅な節約が可能になる結果となりましたが、室内での熱中症にならないよう、くれぐれも無理をせずエアコンを活用しましょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 詳細結果表 2024年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号1-1 都市階級・地方・都道府県庁所在市別
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A Q.カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
経済産業省資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
