牛丼並盛500円時代、“週3外食”を続けるのはぜいたく? 一人暮らし年収500万円の場合で検証

配信日: 2025.08.23
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牛丼並盛500円時代、“週3外食”を続けるのはぜいたく? 一人暮らし年収500万円の場合で検証
物価高が続く中、「庶民の味方」といわれて親しまれている牛丼チェーン店でも、値上げが相次いでいます。牛丼チェーン店の並盛の価格は、お店によっては500円の大台目前まで迫り、外食での家計圧迫を懸念されている方も多いでしょう。
 
本記事では、年収500万円の一人暮らしの会社員が“週3外食”を続けるのはぜいたくなのかどうかについて、政府機関などの統計データを基に客観的に検証しました。
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牛丼は10年間で約1.7倍の価格上昇

2025年8月21日現在、大手牛丼チェーン店の牛丼並盛の価格(税込み)は、以下のようになっています。

・すき家:480円
 
・吉野家:498円
 
・松屋:460円

店舗によって、2013年ごろは280円程度で提供されていたことを考えると、約1.7倍の価格上昇です。
 
総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分」によると、総合指数は前年同月比3.3%上昇、生鮮食品を除く食料品も高い上昇率で推移しています。
 
円安進行による輸入原材料費の高騰などもあり、物価はこれからも上がり続ける可能性が高いでしょう。
 

年収500万円は高収入?

年収500万円の実態を統計データで確認してみると、給与所得者の平均年収と比較して、高収入であるといえます。
 
国税庁長官官房企画課の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、年収500万円超え600万円以下の人は全給与所得者のうち10.8%で、給与所得者の平均年収460万円と比較して、年収は約40万円高くなっています。
 
独身で扶養家族なしの場合、一般的に手取りは年収の8割程度といわれるため、年収500万円の場合の税金や社会保険料などを差し引いた手取り額は約400万円、月額ではおよそ33万円です。
 

年収500万円の場合の食費はいくらくらい?

年収500万円の世帯の食費を算出する方法として、エンゲル係数を使った計算があります。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、単身世帯のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は約28%です。
 
年収500万円世帯の手取りに当てはめると、以下のような計算になります。
 
年収500万円(手取り約400万円)の世帯の例:

・月の手取り:約33万円
 
・月の貯蓄:約8万円と仮定
 
・月の消費支出:約25万円
 
・食費:25万円×28%=約7万円

一方、単身勤労者世帯の1ヶ月の食費は、既出の「家計調査(家計収支編)2024年」によると、平均で4万5750円です。
 
単身世帯における1ヶ月当たりのエンゲル係数を基にした年収500万円世帯の食費と単身勤労者世帯の平均値には差があることが分かります。
 

週3外食のコストはいくらくらい?

週3回外食に行った場合の1ヶ月当たりのコストを試算しました。
 
仮に約500円の牛丼並盛を週に3回外食した場合、週3回×4週=12回で1ヶ月当たりのコストは約6000円です。
 
前述の家計調査によると、単身世帯における外食費の平均値は約1万円であるため、週に3回、牛丼並盛のみの外食であればぜいたくとはいえない水準であると考えられます。
 

週3外食はぜいたく?

先述した通り、「週に3回、約500円の外食をするだけでは、ぜいたくとはいえない」でしょう。外食の回数だけではなく、「外食1回当たりの価格」も重要です。
 
例えば、500円程度の牛丼並盛であれば週に3回外食をしても、かかる費用は、単身世帯の1ヶ月当たりの平均額である1万円を下回ります。
 
反対に、1000円を超えるような外食を週に複数回繰り返すと、1ヶ月の外食費が平均値を超える価格になり、ぜいたくであるといえるかもしれません。とはいえ、エンゲル係数からの算出による年収500万円の場合の食費が約7万円であることを踏まえると、週3回“1000円を超える外食”をしても支障はないともいえるでしょう。
 

週3外食というだけではぜいたくとはいえないケースもある

“週3外食”がぜいたくかどうかは、1回当たりの価格が重要と考えられます。外食1回当たりの価格を抑えることにより、“週3外食”でも、ぜいたくとはいえない水準になるでしょう。
 
外食による家計への影響が気になる場合は、回数とともに単価も意識するようにしましょう。
 

出典

総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分(2ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 表II-1-2 消費支出の費目別対前年実質増減率 -2024年-(15ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 2024年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号1 単身世帯・勤労者世帯・勤労者世帯以外の世帯・無職世帯
国税庁長官官房企画課 令和5年分 民間給与実態統計調査 II 1年を通じて勤務した給与所得者 3 給与階級別分布(22ページ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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