家族全員分のスマホ充電器が「24時間」リビングにつなぎっぱなしです。これって年間でどれくらい電気代がかかるのでしょうか?

配信日: 2025.08.23
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家族全員分のスマホ充電器が「24時間」リビングにつなぎっぱなしです。これって年間でどれくらい電気代がかかるのでしょうか?
リビングに設置されたスマホ充電器、気づけばいつもコンセントに差しっぱなしになっていませんか? 家族全員分ともなれば、常に4本以上の充電器がつながっているという家庭も多いでしょう。
 
たった1台のスマホ充電器でも、24時間つなぎっぱなしにすることで電気を消費しているのは事実です。
 
では、それが1年間積み重なると、いったいどれくらいの電気代になるのでしょうか? この記事では、具体的な試算とともに、意外と見落としがちな安全面の注意点についてもご紹介します。
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スマホ充電器を挿しっぱなしにすると電気代はどれくらい?

資源エネルギー庁のデータによれば、1世帯あたりの年間消費電力量は4432kWhで、このうち待機消費電力量は228kWhと全体の5.1%を占めています。
 
スマホの充電器は、スマホをつないでいない状態でもコンセントに差し込まれているだけで、微量ですが電力を消費しています。これを「待機電力」や「スタンバイ電力」と呼びます。
 
一般的なスマホ充電器の待機電力は0.1〜0.5ワット程度といわれています。これは1日(24時間)にすると約2.4〜12ワット時(Wh)、1年間では約0.876〜4.38キロワット時(kWh)に相当します。具体的には以下の計算の通りです。


・0.1Wの場合

0.1W × 24時間 × 365日 = 約0.876kWh
 
・0.5Wの場合
0.5W × 24時間 × 365日 = 約4.38kWh

家庭の電気料金は地域や契約プランにもよりますが、1kWhあたり30円程度とすると…


0.1Wタイプの充電器 → 年間電気代:約26円
0.5Wタイプの充電器 → 年間電気代:約131円

つまり、1台のスマホ充電器を1年間コンセントに挿しっぱなしにしていたとしても、電気代は数十円から100円程度に収まる計算となります。
 
この電気代負担は非常に小さいものの、複数台や、他の待機電力を持つ家電も合わさると無視できない消費となることもありますので、省エネを意識する場合は不要時にコンセントを抜くことも一つの方法です。
 

家族全員分だと意外に大きな差になる?

1台だけで見ればわずかな金額でも、家族全員分となると年間の合計額は無視できない数字になります。たとえば、家族4人がそれぞれスマホ用の充電器を24時間つなぎっぱなしにしていた場合を想定すると…


0.1Wタイプ × 4台 → 約104円/年
0.5Wタイプ × 4台 → 約524円/年

さらに、タブレットやワイヤレスイヤホン、ゲーム機の充電器なども常時コンセントに接続されている家庭では、この金額はさらに大きくなります。
 
また、充電器が古かったり、粗悪な製品であったりすると待機電力が高くなる傾向があり、待機電力の多い製品を多く使う環境では、電気代がさらに増える可能性もあります。
 
複数の機器の待機電力が積もり積もって、年間の電気代として数千円以上になるケースもあるため、省エネを心がける場合は不要時にコンセントを抜くか、待機電力を抑える節電タップの活用も検討するとよいでしょう。
 

電気代よりも気をつけたい「安全リスク」とは?

電気代はそれほど高くないとしても、もうひとつ重要な観点があります。それは「安全性」です。
 
古い充電器や安価で品質の低い製品の中には、長時間コンセントに差しっぱなしにしていると発熱するものがあります。主な原因としては、充電器の劣化や内部回路の不具合、過負荷状態が考えられます。発熱が続くと以下のようなリスクにつながる可能性があります。


・発火や火災のリスク
・コンセント周辺の焦げや変色
・スマホなど機器への過電流による故障
・感電などの事故

特に小さなお子さんがいるご家庭や、夜間に無人になる時間が長い場合は、これらのリスクに十分注意が必要です。日常的に挿しっぱなしにしているなら、時々充電器が過度に発熱していないか確認し、異常を感じたら使用を中止しましょう。
 
さらに、スイッチ付きの電源タップを使って使わないときはオフにするなどの対策も安全面で有効です。また、PSEマークなど安全基準を満たす製品を選ぶことも重要です。
 

挿しっぱなしの見直しは「小さな節約と安全」への第一歩

スマホ充電器を24時間挿しっぱなしにしていても、1台あたりの電気代は年間でせいぜい数十円から100円程度。家族全員分でも数百円と、目立ったコストではありません。
 
しかし、「ちりも積もれば山となる」という言葉のとおり、こうした待機電力が積み重なって家庭全体の電気代にじわじわと影響を与えているのも事実です。また、電気代以上に気をつけたいのが安全面。古い充電器や安価な製品の中には発火リスクがあるものもあります。
 
安心して使うためにも、使わないときにはコンセントから抜いたり、スイッチ付きタップを活用したりすることをおすすめします。
 
家計の節約と家族の安全、どちらも守るために、まずは小さな見直しから始めてみてはいかがでしょうか?
 

出典

資源エネルギー庁 平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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