洗濯機の「乾燥フィルター掃除」を1年サボったらどうなる? 電気代への影響はあるのでしょうか?
では、もし1年間まったく掃除をしなかったらどうなるのでしょうか。本記事では乾燥効率の低下や電気代への影響、さらには修理費用などを中心に解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
フィルターの目詰まりで乾燥時間が倍近くかかることも
乾燥フィルターは、乾燥中に出る衣類のホコリや糸くずを受け止める役割を担っています。ところが掃除をしないまま放置すると、ホコリが積もって空気の通り道をふさいでしまいます。
風が通りにくくなれば、洗濯物を乾かすのに必要な時間はどんどん延びていきます。実際、大手各メーカーではフィルターが目詰まりすると風の通りが悪くなり、乾燥時間が長くなったり、乾きムラが生じたりすることがあると公表しています。
電気代への影響は意外に大きい
乾燥時間が延びるということは、その分だけ電力を余分に消費するということです。例えば、ヒートポンプ式乾燥機の1回あたりの平均消費電力量は約0.6~0.85キロワットアワーであり、電気代にすると1回あたり18~25円程度です。
フィルターの目詰まりで乾燥時間が1.5倍に増えれば、電気代も1.5倍に膨らむことになり、1回あたり約75円かかることになります。毎日1回乾燥を使う家庭なら、1ヶ月で700円前後、1年間では9000円近い余分な電気代を支払うことになるのです。
乾燥機能はもともと電気代がかかりやすいので、フィルター掃除することで無駄な出費を減らすことが大切です。
なお、ヒートポンプ式乾燥機は省エネ性能が高く、1回あたりの電気代は25円程度で済みます。一方、ヒーター乾燥タイプはヒートポンプ式と比較すると乾燥時に約2倍の電力を消費し、1回あたり50円前後かかる場合が多いです。
そのため、乾燥機を頻繁に使う方は省エネ性能の高いヒートポンプ式を選ぶことで、電気代の節約につながります。
故障すれば修理費は数万円単位に
フィルター掃除を長期間怠ると、熱交換器や乾燥ダクトにまでホコリがたまり、内部の部品に負荷がかかります。その結果、センサーの異常や加熱不良を起こしやすくなり、修理が必要になるケースがあります。
修理費用は症状によって異なり、2〜3万円で済むこともあれば、主要部品の交換になると5万円を超えることもあります。
さらに、部品が手に入らない古い機種では修理が不可能となり、買い替えになってしまうケースもあります。フィルターをこまめに掃除するだけで出費を防げることを考えると、いかに日々のケアが大切か分かります。
安全面や仕上がりの質にも悪影響
お金の話だけでなく、安全性の観点からもフィルター掃除は重要です。ホコリが熱源の近くにたまると発火リスクが高まり、海外では乾燥機のフィルター詰まりが原因の火災が複数報告されています。日本ではまだ少数ですが、リスクはゼロではありません。
また、乾燥効率が落ちると洗濯物がしっかり乾かず、生乾きの嫌な臭いやカビの原因にもなります。結果として再度乾燥させたり、部屋干しをしたりと余計な手間がかかり、それもまた間接的なコストにつながります。
掃除の頻度と簡単な対策
メーカーの取扱説明書を見ると、乾燥フィルターは乾燥を使うたびに掃除することが推奨されています。実際には毎回しっかり掃除をしている家庭は少ないかもしれませんが、少なくとも数回に一度はホコリを取り除き、月に一度はフィルターを水洗いして乾かすのが理想です。
もし、乾燥時間が急に長くなった場合は内部のホコリ詰まりが疑われるため、業者によるクリーニングを検討するとよいでしょう。費用は1回1〜2万円程度かかりますが、これにより修理や買い替えのリスクを軽減できます。
小さな掃除が大きな節約につながる
乾燥フィルターを長期間掃除しないと、乾燥効率が落ちて電気代が年間で数千~1万円近く余分にかかる可能性があります。また、部品の故障や修理費用で数万円を失うリスクも高まり、場合によっては買い替えが必要という大きな出費につながることもあります。
たった数十秒のフィルター掃除を習慣にするだけで、家計の無駄を減らしながら洗濯機を長持ちさせ、さらには火災リスクも軽減できます。乾燥機能を安心して使い続けるために、今日からでもフィルター掃除を生活のルーティンに取り入れてみてはいかがでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
