妻は夏場トイレの「暖房便座」をオフにします。節約のためというのですが、実際そんなに電気代がかかるものでしょうか?

配信日: 2025.08.25
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妻は夏場トイレの「暖房便座」をオフにします。節約のためというのですが、実際そんなに電気代がかかるものでしょうか?
トイレの暖房便座は、冬場には欠かせない快適アイテムですが、夏場にもつけっぱなしにしている家庭は少なくないでしょう。しかし、「暑い時期に使わなくてもいいのでは?」と考えて電源を切る人もいるようです。
 
果たしてその節約効果はどの程度なのでしょうか。今回は、暖房便座の電気代の目安や夏にオフにした場合の節約効果などについて解説します。
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暖房便座の電気代ってどれくらい? まずは基礎知識をチェック

暖房便座の電気代は、意外と見落とされがちな部分です。一般的な機種では1ヶ月あたり300円程度、年間ではおよそ4000円前後かかるといわれています。
 
例えばあるメーカーの製品の場合、年間消費電力量は約140キロワットアワーで、電気料金単価を1キロワットアワーあたり31円とすると、年間で約4340円、1ヶ月では362円ほどとなります。1日単位で見るとそこまで高い金額ではありませんが、1年間積み重なると意外に無視できない金額です。
 
また、温水洗浄便座全体の電気代としては、1ヶ月あたり150円から300円程度、年間で1800円から3700円程度という試算もあります。製品や使用環境によって幅はありますが、「つけっぱなしでも大した金額ではない」と軽く考えるよりは、日常的に消費している電力のひとつとして認識しておくことが大切です。
 

夏はオフでどれだけお得? 具体的な節電効果

では、実際に夏場に暖房便座をオフにした場合、どの程度の節約になるのでしょうか。
 
経済産業省資源エネルギー庁の試算によると、貯湯式の暖房便座の設定温度を「中」から「弱」に一段階下げ、冷房期間はオフにすることで、年間およそ26.40キロワットアワーの節電ができ、電気代に換算すると約820円の節約につながります。冷房を使う時期には暖房便座の必要性が低いため、夏に電源を切ると同等の節電効果が得られる可能性があるというわけです。
 
さらに、使わないときに便座のフタを閉めるだけでも効果があります。フタを閉めることで熱が逃げにくくなり、結果として年間で34.90キロワットアワーの節電、金額にしておよそ1080円の節約につながる可能性があるのです。とてもシンプルな行動ですが、年間で千円以上の違いが出るのは驚きではないでしょうか。
 
また、温水洗浄便座を使っている場合は、節電モードの有無も大きな差を生みます。節電機能を利用することで、年間で1000円以上もの節約になるケースもあるようです。夏にオフにするという行動とあわせて節電モードを取り入れると、より確実に電気代を減らせる可能性があることが分かります。
 

フタを閉める・設定温度を下げる……このひと工夫で年間数千円の節約も

節電効果は1つの工夫だけでも得られますが、複数を組み合わせるとさらに効果が高まります。
 
例えば、前章で説明した便座の設定温度を下げて夏はオフにする習慣と、便座のフタを閉める習慣をあわせると、年間でおよそ1900円もの節約になる可能性があります。さらに節電モードを活用すれば、合計で年間3000円程度の削減も可能かもしれません。
 
加えて、便座そのものの種類によっても消費電力は異なります。従来の貯湯式に比べ、必要なときだけ水を温める瞬間式のほうが省エネ性が高い傾向にあります。買い替えの機会があるなら、瞬間式を選ぶのも長期的に見れば効果的な節約方法といえるでしょう。
 

まとめ:ちょっとの工夫で節電&快適なトイレ環境をつくろう

暖房便座は、冬には快適さを提供してくれる一方で、夏場にはほとんど必要のない機能ともいえます。
 
経済産業省資源エネルギー庁のデータをもとに見てきたように、便座の設定温度を下げ、夏だけ電源をオフにすることで年間820円ほど、フタを閉める習慣を取り入れればさらに約1080円、節電モードを組み合わせれば1000円以上の節約につながる可能性があります。小さな工夫を重ねることで、年間数千円規模の電気代を減らすことも可能かもしれません。
 
今回の事例における奥さまの「夏は暖房便座をオフにする」という判断は、無理のない形で家計を助けてくれる合理的な工夫といえます。家族で話し合いながら、自分たちに合った使い方を見つけてみてはいかがでしょうか。そうすれば快適さを損なわずに、節電と節約を両立させることができるはずです。
 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約 温水洗浄便座
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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