夫(42歳)の年収は500万円。子ども2人を育てながら“貯金300万円”あるわが家は、同世代と比べて平均より上ですか?
とくに、子どもが2人いて日々の生活費もかさむ家庭では、貯蓄を維持するだけでも一苦労でしょう。
そこで本記事では、年収や家族構成、年齢といった条件をもとに、「貯金300万円」が平均より上か下かを客観的に読み解きます。あわせて、今後の家計の備え方も紹介します。
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年収500万円・子ども2人で貯金300万円は多い? 少ない?
「貯金300万円」と聞くと、人によって感じ方はさまざまです。多いと感じる人もいれば、「もう少しあってもいいのでは」と感じる人もいるでしょう。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯)」によると、40代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)は、以下のようになっています。
・平均値:944万円
・中央値:250万円
中央値とは、すべての世帯を貯金額順に並べた際の真ん中の金額で、より実態に近い指標とされています。
このデータと比較すると、貯金300万円という数字は「平均より下」ですが、「中央値よりは上回っている」ことがわかります。つまり、同世代の中で中間よりも少し貯金ができている家庭といえるでしょう。
年収・家族構成別でも比較してみよう
年収500万円というのは、子育て世帯ではよく見られる収入層です。この年収帯に属する家庭が、どれほどの貯蓄をしているかを確認してみましょう。
金融経済教育推進機構の同調査によると、年収別・家族構成別の金融資産保有額は以下のとおりです(世帯ベース)。
■年収500万円~750万円未満
・平均:1233万円
・中央値:400万円
■「夫婦+子どもあり」
・平均:1294万円
・中央値:418万円
このデータを見ると、貯金300万円は平均には届いていないものの、中央値との比較では健闘している水準といえます。とくに、教育費や日常の支出が多い子育て世帯では、思うように貯蓄できないケースも多いため、300万円の貯蓄があること自体が家計管理の成果といえるでしょう。
「貯金300万円」から先の備え方は?
では、貯金300万円という現在の水準から、今後どのように備えていけばよいのでしょうか。
まず大切なのが、生活防衛資金の確保です。一般的に、生活費の3ヶ月~6ヶ月分を現金で確保しておくことが基本とされています。
たとえば毎月の支出が25万円なら、最低でも75万円~150万円をすぐに使える形で持っておくと安心です。貯金が300万円あれば、その分を差し引いても余裕があります。
次に意識したいのが、目的別の資金管理です。以下のように口座や用途を分けておくことで、お金の流れが明確になり、ムダな支出を防ぐことができます。
・教育費用(進学、習い事など)
・住宅修繕・更新費用
・老後資金(iDeCo・NISAの活用も検討)
・緊急時の医療・失業への備え
また、可能であれば毎月の積立を「仕組み化」することで、意識しなくても自然とお金が貯まっていきます。給与天引きや自動送金などを活用し、無理なく資産形成を進めましょう。
まとめ:今の貯金を活かして、将来に備えよう
貯金300万円という金額は、平均だけを見ると物足りなく感じるかもしれませんが、中央値という現実に近い指標を基準にすれば、十分に健闘している水準といえます。とくに、子どもが2人いる家庭では、貯蓄ペースを維持するだけでも立派なことです。
これから必要になる教育資金や老後資金に向けては、焦らず段階的に準備を進めることが大切です。現状を「不足」と見るよりも、「ここまでできた」と前向きに捉え、次の目標に向けて一歩ずつ積み重ねていきましょう。
出典
金融経済教育推進機構 家計の金融行動に関する世論調査2024年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
