定期預金の金利「1%」突破!? 子どもの教育資金「500万円」を5年預けるといくらになる? 資産運用するケースとも比較
例えば、子どもの大学進学を5年後に控え、500万円をどのように運用するかを考えてみましょう。安全性を重視して利益を確保するのか、それとも運用で増やす選択を検討するのか、家庭の事情によってとるべき方針は大きく異なります。
本記事では、500万円の教育資金を5年間預けた場合のシミュレーションと、定期預金と運用のメリット・注意点を比較しながら、考察していきましょう。
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト
ネット銀行で定期預金の金利が1%超え! 金利が上がりつつある?
近年、日銀の金融政策転換やインフレ傾向の影響を受け、国内の金利水準に変化が見られるようになってきました。特に、ネット銀行やネット専用商品を中心に定期預金の金利が上昇傾向にあり、1年物の商品でも1.0%を超える水準のものが登場しています。
例えば、オリックス銀行のインターネット専用定期預金「eダイレクト預金」では、1年物の定期預金で年1.20%(税引前)、5年物だと年1.50%(税引前)という高水準の金利を提示しています。
それに比べると、メガバンクの金利はあまり高くなく、三菱UFJ銀行の5年物定期預金金利は年0.4%(税引前)です。ネット銀行やネット専用商品と比べればかなり控えめな水準にとどまっています。
とはいえ、定期預金ではお金が増えないという常識が少しずつ見直されつつあり、特に元本保証を重視する家庭にとっては、有力な選択肢になりつつあります。
※上記は2025年8月時点の内容です
500万円を5年預けるといくらになる?
それでは、仮に年1.50%(税引前)の5年物定期預金の商品に500万円を預けた場合、どれくらい増えるのでしょうか。
税引前利息だと約38万7912円で、20.315%の税金(国税15.315%、地方税5%)を差し引いた後の受取利息は約30万9108円と計算されます。
つまり、5年後には約530万9108円になる計算です。もちろん、金利や商品によって若干の差はありますが、元本保証を維持しつつ、着実に資金を増やせる点は魅力的といえるでしょう。
特に教育資金のように必要なタイミングが明確で、確実に残しておきたい用途のお金には、定期預金の安定性がマッチします。
資産運用という選択肢も
一方で、資金をもう少し増やしたいと考える場合は、資産運用を検討するのも選択肢の1つです。教育資金としての用途を考慮し、比較的リスクの低い運用方法を中心に据えるといいでしょう。
例えば、
・バランス型投資信託:株式・債券・REITなど複数の資産に分散投資し、安定したリターンを狙う
・インデックスファンド:手数料が安く、長期的な成長を期待できる
といった金融商品が選択肢となるでしょう。
仮に年平均3~5%で運用できた場合、5年間での増加額は80万~140万円程度になると考えられます。しかし、当然ながらこのような資産運用では「元本割れのリスク」が伴います。相場の変動によっては、預けた金額を下回る可能性もあるため、家庭の方針に応じてリスクをどの程度受け入れるか、判断が求められるでしょう。
まとめ
子どもの教育資金としてためた500万円をどのように預けるかは、家庭の考え方次第です。
確実に元本を確保したいのであれば、現在の定期預金金利の上昇は大きなチャンスといえるでしょう。一方、多少のリスクを許容してでも資産を増やしたい場合は、安定型の資産運用に目を向ける選択肢もあります。
金利の上昇局面は、資産の預け先を見直す好機ともいえます。5年後の未来を見据え、大切な教育資金をどのように守り、生かしていくか。じっくり考えて、自分たちに最適な選択をしましょう。
執筆者 : 金田サトシ
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト
