タンス預金「100万円」を“車の買い替え費用”に充てたい! 税務署から確認されることはある?

配信日: 2025.08.28
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タンス預金「100万円」を“車の買い替え費用”に充てたい! 税務署から確認されることはある?
自宅で保管していた現金100万円を車の買い替えに使うと、税務署に目を付けられることはあるのでしょうか。タンス預金は違法ではありませんが、場合によっては出どころの説明を求められることがあります。
 
本記事では、その判断基準や注意点、安心して現金を使うためのポイントを解説します。
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タンス預金100万円を使うと税務署に確認されるのか

タンス預金自体は、法律で禁止されているわけではありません。自宅で現金を保管しておくことは自由ですが、その現金の出どころによっては課税対象となることがあります。特に、過去に申告していない所得や、贈与・相続によって得た現金が含まれている場合は注意が必要です。
 
税務署はすべての現金取引をチェックしているわけではありませんが、100万円以上といった高額な現金の動きや、過去の収入と比べて不自然な資金の使用には注視することがあります。
 

税務署が現金の出どころを確認するケース

税務署が、現金の出どころを確認する場面は限られています。例えば、金融機関から200万円を超える現金を引き出しや預け入れを行う場合には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)」に基づき取引記録が残されます。銀行は本人確認や取引目的の確認を行い、その記録は一定期間保存されるのです。
 
また、高額な不動産や車の購入時には、販売業者が現金取引の情報を税務署に提供する場合があります。これは、マネーロンダリング(資金洗浄)や脱税を防ぐ目的で行われる調査です。さらに、贈与や相続が疑われる場合も確認対象です。例えば、親から現金を受け取って車を購入した場合、贈与税の対象になる可能性があります。
 
さらに、過去の申告内容と照らし合わせて資金の動きが不自然な場合や、現金の出どころを裏付ける記録が全くない場合も、税務署から説明を求められることがあるため注意が必要です。
 

タンス預金100万円の場合のリスク

現金100万円を使う場合、金額だけを見れば税務署からすぐに確認が入る可能性は低いといえます。ただし、状況によっては注意が必要です。
 
100万円は「犯罪収益移転防止法」に基づく銀行取引の報告対象額(200万円)を下回っており、通常は自動的な報告対象にはなりません。しかし、購入先がディーラーなどの販売店で現金での支払いを行った場合は、領収書や契約書として記録が残るため、後日、税務調査や確認の過程でこれらの書類が参照される可能性があります。
 
過去の所得や貯蓄状況と照らして不自然な現金支出と見なされると、説明を求められる場合もあるため注意しましょう。特に、銀行口座で多額の入出金が頻繁にあると、税務署の関心を引く可能性は高まります。
 

税務署から確認されたときの対応

税務署から現金の出どころについて説明を求められた場合に備え、スムーズに説明できるよう準備しておきましょう。
 
通帳の引き出し記録、給与明細、過去の預金明細など、現金を貯めた経緯を説明できる証拠をそろえておくと安心です。特に、長期間にわたり少しずつ現金を引き出して貯めていた場合、その過程が分かる記録は有力な根拠となります。
 
また、贈与や遺産で得た現金であれば、贈与契約書や遺産分割協議書などの証拠を保管しておくのがおすすめです。口頭だけで説明するよりも、書面や記録を提示したほうが誤解を避けやすくなります。
 

安心して現金を使うためのポイント

タンス預金を使う際に不必要な誤解を招かないためには、日頃からの記録と管理が大切です。預貯金と現金の管理を分けて記録しておくと、資金の流れが明確になります。銀行から現金を引き出す場合は、金額や使途をメモに残しておくと、後で調査が入った際に説明しやすくなります。
 
購入に関する、領収書や契約書を保管する習慣も重要です。特に高額な現金取引をする場合は、できるだけ銀行振込を利用することで、資金の流れを証明しやすくなります。
 

100万円のタンス預金は原則問題なし

100万円程度のタンス預金を車の買い替えに使うだけなら、税務署から直ちに確認される可能性は低いと考えられます。しかし、資金の流れは日頃から明確にしておくことが大切です。
 
200万円未満の現金取引は、銀行取引における報告義務の対象外ですが、それでも、購入記録や資金の出どころを説明できる資料を残しておくことで、税務署からの確認にも落ち着いて対応できるでしょう。
 

出典

デジタル庁 e-GOV 法令検索 犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)(第4条~第6条:取引時確認、取引記録の作成・保存)
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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