食べ盛りの子どもが3人いて「米5キロ」が1週間でなくなります。「米代」が家計を圧迫しているのですが、去年と比べて価格はどのくらい上がっているのでしょうか。
実際、お米の価格は昨年と比べて大幅に上昇しており、家計への影響も無視できません。本記事では、昨年からの価格上昇の実態と、家計への具体的な影響額を解説します。
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目次
最新の店頭価格はどのくらい?東京都区部の「5kg」の水準
「高い」と感じるお米の価格ですが、実際のデータではどうなっているのでしょうか。ここでは、具体的な店頭価格の水準を見ていきましょう。
総務省の小売物価統計(動向編)によると、東京都区部のうるち米5kgの店頭価格は、2025年7月時点で「コシヒカリ」5036円、「コシヒカリ以外」4842円です。
いずれも包装・税込みで、7日以内の特売分を除いた価格です。前年同月比は、コシヒカリが+87.7%、コシヒカリ以外が+86.1%と大きく上昇しています。
5kgを週1袋の家庭では月いくら?昨年同月との増加額を試算
80%以上の価格上昇は、家計にどのくらいのインパクトを与えるのでしょうか。今回と同じ「5kgのお米を1週間で消費する」家庭をモデルに、1ヶ月あたりの負担増加額を具体的に計算してみます。
家庭が「5kgを1週間で1袋」消費するなら、月におおむね4袋を購入します。上記の東京都区部の小売価格を使い、2025年7月と2024年7月を比較します。
コシヒカリ以外の平均価格で試算すると、2025年7月は1袋4842円なので月4袋で1万9368円です。2024年7月は2602円でしたから、月4袋で1万408円。差額は月8960円の負担増です。
コシヒカリで同様に試算すると、2025年7月は5036円×4袋で2万144円、2024年7月は2683円×4袋で1万732円です。差額は月9412円です。価格水準は地域や銘柄で差が出ますが、東京都区部のデータを確認する限り、昨年同月より月数千円単位での増加が続いているでしょう。ただし、実際の購入価格は地域や店舗によって変わる可能性があります。
米価格が上がった理由とは?
なぜ、これほどまでにお米の価格は上がっているのでしょうか。その背景には、生産コストの上昇や天候不順など、複数の要因が複雑に絡み合っています。
米の値上がりにはいくつもの要因があります。農業の現場では、電気代や燃料代、肥料などが高めの水準が続いています。加えて、運送コストも高い水準が続いており、こうした費用の増加が最終的に小売価格に反映されています。
天候の影響も大きいです。2025年7月は観測史上もっとも暑い7月となりました。高温によって未熟な粒が増えるなど品質の低下につながりやすく、結果的に市場価格に影響する可能性があります。
一方で、政府は備蓄米を市場に出すなど、流通の安定を保つための対策を進めています。新米の供給や在庫の状況、政策対応によっては、価格の急な上昇が抑えられることもあります。今後は公的なデータや新米の動きを見ながら、購入のタイミングや銘柄を調整すると安心できるでしょう。
5kgを週1袋買う家庭では、コシヒカリ以外で月8960円、コシヒカリで月9412円の負担増
東京都区部の指標価格でみると、2025年7月の5kg価格は昨年同月より大きく上がっており、5kgを週1袋買う家庭では、コシヒカリ以外で月8960円、コシヒカリで月9412円の負担増という目安になります。
家計のやりくりでは、銘柄や精米形態の見直し、まとめ買いと保管環境のバランス、新米期の価格を見極めながら買うタイミングの分散など、無理のない範囲で工夫するとよいでしょう。
出典
農林水産省 小売物価(東京都区部)の推移(総務省小売物価統計)
農林水産省「米の流通状況等について」
気象庁 日本の7月の平均気温
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
