忙しいので炊飯はいつも「早炊きモード」です。「普通」で炊くよりも電気代は節約になっていますよね?

配信日: 2025.08.29
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忙しいので炊飯はいつも「早炊きモード」です。「普通」で炊くよりも電気代は節約になっていますよね?
忙しいときは炊飯器の「早炊きモード」に頼っていしまうという人も多いのではないでしょうか。「普通炊きより電気代も安いのでは?」と思うかもしれませんが、実は必ずしもそうではありません。
 
電気代を抑えたいときは、省エネ炊飯コースや保温時間の見直しといった工夫が効果的です。本記事では、それぞれの違いと電気代を抑えるポイントをわかりやすく紹介します。
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そもそも「早炊き」はどのような仕組み?普通炊きとの電気代の差はない?

「早炊き」は、炊飯時間を短くするためのモードです。お米を水に浸す「吸水」の時間や、炊き上がった後の「蒸らし」の工程を短縮する代わりに、加熱を強めて一気に炊き上げることで、短時間で炊き上げられるようになっています。
 
「早炊き」を選択すると、時間は確かに早くなりますが、その分だけ強い火力で炊き上げるため、消費電力量が大きく減るわけではありません。
 
そのため、早炊きを選んでも電気代の節約効果はごく小さいか、むしろ微増することもあります。節電を期待して早炊きを常用すると、思ったより効果が得られないと感じる可能性が高いでしょう。
 

省エネ炊飯コースの方が電気代を抑えやすい

炊飯器の取扱説明書では、省エネ法の測定方法に基づく「1回あたりの消費電力量」が示されるのが一般的です。電気代は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安である1kWhあたり31円で換算します。
 
同じ5.5合クラスでも機種差はありますが、傾向として「普通炊き」は約200Wh前後、「省エネ炊飯コース」は約150Wh前後になります。
 
電気代に換算すると、

●普通炊き:約0.200kWh×31円=約6.2円
●省エネ炊飯:約0.150kWh×31円=約4.65円

差は1回あたり約1.55円です。毎日1回炊けば、年間で約566円の違いになります。食感の好みと電気代のバランスを見ながら、日常は省エネ炊飯を基本にしつつ、必要に応じて炊き分けるとよいでしょう。
 

節電のカギは「保温時間を減らすこと」

炊飯そのものよりも、長時間の保温が電気代に影響します。一般的な5.5合炊きクラスでは、保温は1時間あたり約15Whです。電気代の換算は、1kWhあたり31円を用います。
 
0.015kWh×31円=約0.47円
つまり、1時間あたり約0.5円です。

●6時間なら 0.015kWh×6×31円=約2.79円(約2.8円)、
●12時間なら 0.015kWh×12×31円=約5.58円(約5.6円)です。

毎日12時間保温を続けると、月は約5.58円×30日=約167円、年は約5.58円×365日=約2037円(約2000円)になります。炊飯方式の違いで生じる1回あたりの差が数円前後であることを考えると、保温の扱い方の方が家計への影響は大きいといえるでしょう。
 
電気代を抑えるには、炊飯予約を使って食事の直前に炊き上げる方法が有効です。食べきれない分は小分けにして冷凍しておけば、必要なときに電子レンジで温め直せます。こうした工夫をすれば、長時間保温を避けながらおいしさも保てて、電気代の節約にもつながるでしょう。
 

早炊きは節約目的には不向き。省エネ炊飯と保温短縮を組み合わせるとよいでしょう。

早炊きは便利ですが、普通炊きより電気代が安くなるわけではなく、節約効果は小さいです。電気代を抑えたい場合は、省エネ炊飯コースを基本にし、保温時間を短くする工夫がより効果的です。
 
タイマーや冷凍保存を上手に使えば、電気代を節約しながら毎日のご飯を快適に楽しめるでしょう。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 無理のない省エネ節約
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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