夏は「東京都の水道料金がタダ」と聞いたけど、水道代が「家賃8万円」に含まれている場合、家賃は安くなりますか? 無償化の“対象者・免除額”も確認
本記事では、水道料金が一部免除される仕組みや、家賃に水道代が含まれている賃貸住宅の場合、家賃にどのような影響が及ぶのか解説します。
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2025年夏、4ヶ月分の水道基本料金が無償に!
東京都水道局は、2025年7月1日の検針分から始まる4ヶ月分の水道基本料金を無償化することを発表しました。具体的な期間は契約者の検針スケジュールによって変わりますが、連続した4ヶ月間が対象です。
なお、この措置は猛暑と物価高への対応として、都の一般会計で補てんされる臨時的な措置であり、水道局の財政や管路維持に影響はありません。
対象者と免除額
東京都の水道基本料金の無償化の対象者は、都水道局の給水区域内に居住し、都水道局と契約している人です。給水区域外(武蔵野市など13市町村)の実施状況は、各市町村に確認が必要です。なお、東京都は、給水区域外の実施市町村に対して基本料金の収入相当額等を交付することにしています。
対象者については、使用しているメーター口径に応じて、次の月額基本料金が無償となります。
●13ミリメートル:860円
●20ミリメートル:1170円
●25ミリメートル:1460円
例えば、25ミリメートルの口径の場合、4ヶ月間合計で1460円×4ヶ月=5840円(税込みで6424円)の割引になります。なお、通水量に応じた従量料金や下水道使用量は対象外で、通常通り請求されます。
水道代込み物件(家賃8万円など)の場合は?
家賃に水道代込みの契約をしている場合、「基本料金無償の恩恵は自分に返ってくるの?」という疑問があるかもしれません。
東京都水道局の公式ページでは、水道料金が家賃に含まれている場合の取り扱いについては、「入居者と契約者(大家や管理会社)間でご確認ください」と記載されており、入居者への還元があるかどうかは明確にされていません。
つまり、家賃8万円の物件で水道代込み契約となっていても、水道局からの基本料金の割引は大家や管理会社に直接適用されると考えられ、入居者への還元は契約内容や大家=管理会社次第といえるでしょう。
とはいえ、仮に水道料金の無償化が継続するような場合については、契約更新や今後の交渉の機会に、水道代込みですが実際は基本料金分が免除されていると説明し、今後の条件交渉の材料に使えるケースもあるかもしれません。
まとめ
本記事の内容をまとめると次のとおりです。
●タダになるのは、水道の基本料金だけで、使用水量に応じた従量料金は対象外
●支援期間は2025年夏の4ヶ月間(検針スケジュールによる)で、申請不要で自動的に適用される
●家賃水道込みの賃貸物件では、基本料金の割引は大家・管理会社に適用されるため、入居者に還元されるかは契約次第
●家賃の即時値下げは期待しにくいものの、更新時や交渉の機会に交渉材料として活用できる可能性もある
この夏の水道基本料金無償化は、小さな金額でも勝手に減額される、家計にはうれしい施策です。ただし、その恩恵をどこまで受けられるかは、契約形態や大家との取り決めにも左右されます。必要に応じて、大家や管理会社に確認してみましょう。
出典
東京都 水道局 水道料金の基本料金を無償とします
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
