定年後、夫がずっとリビングにいて「蛍光灯が12時間つきっぱなし」です。LEDに替えると、電気代はどれくらい安くなるのでしょうか?
本記事では、電気代の目安と、LEDならではのメリットを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
蛍光灯とLED、消費電力にはどんな違いがある?
照明の種類によって消費電力は大きく変わります。一般的なリビング用の蛍光灯は、40形なら基本的に40Wです。同じ明るさのLEDシーリングライトにすると、15W程度で済みます。つまり、LEDは蛍光灯の半分以下の電力で同じ明るさを保てるのです。
この差は少しに思えても、長時間つけると大きな違いになります。特に「12時間つけっぱなし」が毎日続けば、1ヶ月、1年単位で見たときの電気代は大きく変わってきます。
12時間点灯したら電気代はいくら違う? 年間での比較
それでは具体的に、12時間点灯した場合の電気代を計算してみましょう。
電気代は「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」で求められます。なお、電気料金単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している31円/kWhとします。
■蛍光灯(40W)
1日あたり:0.04kW × 12時間 × 31円/kWh = 14.88円
年間:14.88円 × 365日 = 約5431円
■LED(15W)
1日あたり:0.015kW × 12時間 × 31円/kWh = 5.58円
年間:5.58円 × 365日 = 約2037円
1日あたりにするとわずか9.3円の差ですが、1年単位で見ると約3400円の節約になる計算です。蛍光灯を複数使っている家庭なら、この効果はさらに大きくなります。
LEDに替えると「電気代以外」にもメリットがある
LEDのメリットは電気代の安さだけではありません。
まず、寿命が長い点が挙げられます。蛍光灯の寿命は6000~1万3000時間程度ですが、LEDは4万時間以上使える製品もあります。毎日12時間使用しても、蛍光灯は1年半~3年で交換が必要ですが、LEDなら約9年近く使える計算になります。交換の手間やランプ代を考えると、LEDの方が長期的にはお得です。
また、点灯した瞬間から明るい、ちらつきが少ないといった快適さも特徴です。高齢になると光のちらつきが気になる方も多いため、生活の質を高める点でもLEDはメリットがあります。
さらに、LEDには蛍光灯に含まれる水銀がなく、環境にも優しいという利点があります。廃棄時の処理も簡単で、エコの観点からも推奨されています。なお、健康や環境リスクが懸念されることから、2027年末までに一般照明用の蛍光灯の製造・輸出入が終了予定となっています。
まとめ
今回の試算では、蛍光灯をLEDに替えると、12時間つけっぱなしの生活でも年間で約3400円の節約が期待できる結果となりました。金額だけ見れば大きな差に感じにくいかもしれませんが、長寿命による交換費用の削減や快適さ、環境への配慮まで含めれば、その効果は数字以上です。
さらに、健康や環境リスクの観点から2027年末までに一般照明用の蛍光灯は製造・輸出入が終了予定となっており、LEDへの切り替えは今後ますます必須になっていくでしょう。
初期費用としてLEDランプの購入は必要ですが、数年で元が取れる計算になります。長く安心して使いたい方、定年後の生活で家にいる時間が増えたご家庭には、LEDへの切り替えは家計にも環境にも優しい選択といえるでしょう。
出典
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
経済産業省 蛍光灯からLED照明への切り替えはお済みですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
