夫が「アレクサ」の購入を検討しています。24時間365日つけっぱなしが基本だと思いますが、年間の電気代は「5000円」くらいかかるのでしょうか?
本記事では、Amazon Echoの消費電力と電気代を確認し、さらに他社のスマートスピーカーとも比較していきます。
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Echoの消費電力と年間電気代
「Alexa(アレクサ)」はAmazonが提供する音声アシスタントの名称であり、本体となるスマートスピーカーは「Echo」シリーズです。
私たちが普段「アレクサ」と呼んでいるのは、Echoに搭載された音声アシスタント機能を指しています。つまり、「アレクサを買う」というのは正しくは「Echoを購入して、そのなかのアレクサを利用する」ということです。
Amazon Echo(一般モデル)の消費電力は、待機時でおよそ 2〜4W、音楽再生などでアクティブなときでも 4〜7W程度 にとどまります。
ここでポイントとなるのが、スマートスピーカーの大部分は「待機状態」で過ごしているという点です。ユーザーが声をかけるまでは小さな電力で待機を続け、必要なときだけ電力をやや多く消費します。そのため、実際の平均消費電力は常時稼働しても数ワット程度に収まるのです。
仮に待機時3Wで常時稼働させた場合、1日の消費電力量は72Wh(0.072kWh)です。電力単価31円/kWhで計算すると、1日あたり約2.2円、1年間で約800円 になります。
もし毎日3時間ほど音楽を再生し、その間は6Wを消費すると仮定すると、1日の使用電力量は以下のように計算できます。
待機時間21時間(3W):63Wh ⇒ 約2円
音楽再生3時間(6W):18Wh ⇒ 約0.5円
合計:81Wh(0.081kWh)⇒ 約2.5円
以上から、1日の電気代は約2.5円、年間で約910円となります。
このように使用時間を増やしても年間1000円を少し超える程度で収まるのが一般的です。したがって、年間5000円という金額は、実際よりかなり大きく見積もりすぎた数字だと分かります。
他社のスマートスピーカーと比較
では、Echoの電気代は他のスマートスピーカーと比べて高いのでしょうか。代表的なモデルである、Google NestとApple HomePod miniと比較してみましょう。図表1は、各スマートスピーカーのおおよその消費電力と1年間にかかる電気代です。
図表1
| 機種 | 消費電力(待機〜動作時) | 年間電気代目安 (24時間稼働・31円/kWh) |
|---|---|---|
| Amazon Echo | 約1.5〜3.4 W(最大で5〜9 W) | 約400〜1200円 |
| Google Nest(Mini/Hub) | 約1.8〜5 W(機種により幅あり) | 約400〜1000円 |
| Apple HomePod min | 約1.5〜3W | 約400〜600円 |
各社ホームページ等から筆者作成
数字を比べると、Echoが若干高めに見えることもありますが、その差はせいぜい数百円程度です。つまり、電気代だけで機種を選ぶ意味はあまりなく、使いたい機能や音質、画面の有無などで選ぶほうが合理的です。
また、Google NestはGoogleサービスとの連携が得意、HomePod miniはApple製品との親和性が高いなど、電気代以外の使い勝手に大きな違いがあります。電気代は年間数百円の差にすぎないため、実際の選択基準は「どのエコシステムに合わせるか」といえるでしょう。
スマートスピーカーの電気代を少しでも抑える方法
前章で他社と比べても電気代の差はわずかで、年間の負担は大きくないことが分かりました。しかし、それでも「少しでも節約したい」と考える方もいるでしょう。そのような方に、すぐに実践できる節約方法を紹介します。
1. 音量を下げる
スピーカーは、音を大きくするほど電力を消費します。利用環境によりますが、BGMや通知は小さめの音量でも十分聞きとれるため、控えめに設定すると節電につながります。
2. 省電力モードを活用
一部のEchoには、待機時の消費を抑える「エコモード」があり、設定アプリから切り替えるだけで手軽に省エネができます。設定例は機種によって異なるので、導入時に確認するとよいでしょう。
3. 不使用時には電源を切る
旅行や帰省などで長期間使わないときは、コンセントを抜いておくのが安心です。スマートプラグを使えば外出先から電源を管理でき、節電と機器の保護にも役立ちます。
ただし、電気代が年間1000円前後にすぎないので、収まるため、過度に心配する必要はありません。自分の生活に合った形で活用していきましょう。
電気代はわずかなので、安心してスマートスピーカーを生活に取り入れよう
Amazon Echoを24時間つけっぱなしにしても、年間の電気代はおおよそ1000円程度です。他社の製品と比べても大差はなく、5000円という見積もりは現実より大きく見積もりすぎだといえます。
スマートスピーカーの購入は、電気代の心配にとらわれるよりも、音声アシスタントの機能や家電連携の使い勝手を重視して選ぶことをおすすめします。親しみやすいスマートスピーカーを取り入れて、生活をもっと便利にしていきましょう。
出典
アマゾンジャパン合同会社 Echo & Alexa
グーグル合同会社 Google Nest Hub(第2世代)
Apple Japan 合同会社 HomePod mini
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
