タンス預金として貯めていた「250万円」を、車の頭金に使いたい…! これって税務調査の対象になるの?

配信日: 2025.09.09
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タンス預金として貯めていた「250万円」を、車の頭金に使いたい…! これって税務調査の対象になるの?
現金での支払いが必要な場面は意外と多く、中でも自動車の購入では頭金にまとまった金額を使うこともあるでしょう。もし、口座には入れずに長年自宅で保管してきた現金、いわゆる「タンス預金」から250万円を支払いたいと考えた場合、「こんな大金を現金で使ったら税務署に目をつけられるのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。
 
そこで本記事では、タンス預金を使った場合の税務リスクや注意点について解説します。
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タンス預金は税務署に見抜かれる可能性がある?

タンス預金とは、銀行などに預けず、現金のまま自宅などで保管しているお金のことを指します。銀行口座を経由しないため、誰にも知られず自由に使えるという安心感がある一方で、税務署の調査対象となるリスクもあるため注意が必要です。
 
税務署は、KSK(国税総合管理)システムという内部の情報管理ツールを用いて、納税者の収入や財産情報を総合的に把握しています。
 
例えば、自営業者が申告した収入に対して、高級車の購入や多額の現金の動きが認められた場合、「申告していない収入があるのではないか」と疑われ、税務調査の対象になる可能性があります。
 
もちろん、全ての現金取引が即座に調査対象となるわけではありませんが、不自然に大きな現金の動きがあると、税務署のチェックが入ることはあります。特に高額な現金の使用や移動に際しては、慎重に対応する必要があります。
 

250万円は多い? 税務署が注目する現金の金額とは

では、今回の250万円は税務調査の対象になるほどの金額なのかというと、税務署が関心を持つ可能性がある微妙なラインといえます。
 
実際のところ、税務署が調査に入る明確な基準は公表されていませんが、多くの税理士や会計の専門家によると、100万円を超えるタンス預金は調査対象として注目されやすいといわれています。特に、不動産の購入や車の購入など、社会的に記録が残る大きな支出に現金を使われた場合は、その資金の出どころが厳しく問われることが多くなります。
 
ただし、単に250万円の現金を使ったからといって、すぐに税務署が調査に入るわけではありません。重要なのは、そのお金の出どころについて明確かつ納得のいく説明ができるかどうかです。
 

贈与と誤解されないために注意したいこと

もし、その250万円があなた自身の収入や生活費から少しずつ貯めてきた現金であれば、基本的に税務上の問題はありません。贈与でもなければ、所得隠しでもないため、申告の必要もないのです。
 
ただし、そのお金が親や祖父母など他人から贈与されたものである場合、贈与税には年間110万円の非課税枠があるため、それを超える金額を受け取って使った場合、贈与税の対象となります。
 
例えば、親から250万円を受け取り、それを車の頭金に使ったと税務署に把握された場合、贈与税の申告が求められる可能性があります。現金の受け渡しが直接であっても銀行を通していても、金額や状況次第では申告が必要です。
 
また、相続の場面でもタンス預金は注意が必要です。被相続人が申告していなかったタンス預金などの現金が見つかると申告漏れと判断され、追徴課税やペナルティーが課せられることがあります。したがって、生前からのタンス預金は家族に伝えておくことも大切です。
 

税務署に疑われないためにできること

250万円をタンス預金から使う場合、税務署に不審がられないようにするためには、次のような対策が有効です。
 
まず、その現金がどのように蓄積されたかを説明できるようにしておくことです。例えば、毎月少しずつ貯めていたことが分かるメモや記録があれば、十分な説明材料になります。
 
次に、可能であれば現金を一度自分の口座に入金してから支払うという手もあります。これにより記録が残るため、資金の動きが明確になり説明しやすくなります。
 
また、現金の保管方法にも注意しましょう。現金の長期保管は火災や盗難のリスクが高くなるため、耐火・防盗金庫に分散して保管し、定期的な管理と記録を心掛けることが望まれます。
 
そして、万が一税務署から質問があった場合は、正直に経緯を説明しましょう。申告漏れを隠す意図はなかったことを示すことが、トラブルを未然に防ぐうえで非常に大切です。
 

高額現金を動かすときは、計画的に

タンス預金の250万円を車の頭金に使うこと自体は、自分の資産であれば税務上問題ありません。ただし、資金の流れや使い方によっては、贈与や申告漏れと誤解されることもあります。税務署に目をつけられないようにするためにも、お金の出どころを説明できる準備をしておくことが大切です。
 
そのためには、定期的に財産の管理状況を見直し、タンス預金を使う予定があるなら、「いつ・どのくらい・何に使うか」を記録しておくことをおすすめします。高額な現金を扱う際は、慎重かつ堂々と対応できるよう備えておきましょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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