“食費”が生活費に占める割合が高いと「生活水準」が低い…?うちは手取り30万円くらいで、毎月食費が約10万円かかってます。これは生活水準が低いといえますか?
本記事では一般的な家庭の支出状況と照らし合わせながら、「わが家は多すぎる?」という不安にお答えしていきます。
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一般的な家庭の生活費はどれくらい?
私たちの生活費は全国的に見てどのくらいかかっているのでしょうか。総務省統計局の「家計調査(2024年)」によると、二人以上の世帯が1カ月に使う生活費の平均は約30万2000円です。この中には、家賃や水道光熱費、通信費、食費、保険料、教育費などが含まれています。
もちろん、家族構成やライフスタイルによってこの金額は前後しますが、「生活費30万円前後」というのは1つの目安として参考になります。
食費はそのうち、どれくらいを占めている?
では、その生活費の中で「食費」が占める割合はどうなっているのでしょうか。同じく家計調査によれば、食費は全体の約28〜30%を占める家庭が多いようです。つまり、生活費30万円のうち、だいたい8万円前後が食費に使われているというイメージです。
ただしこれはあくまで平均です。共働きで外食が多い家庭、子どもが複数いて食べ盛り、健康や食材にこだわっている、といった理由があれば、当然もう少し多くなることもあります。反対に、自炊中心で倹約を意識している家庭なら、5万円以下に収めている人もいるでしょう。
食費10万円は使いすぎ?
手取り30万円で食費が10万円ということは、生活費の3分の1を食に使っているということになります。数字だけ見れば「ちょっと高めかな?」という印象を受けるかもしれません。でも、それだけで生活水準を判断するのは正確とはいえません。
例えば、家賃や光熱費、通信費などが抑えられていて、貯金やレジャーにも回せているなら、食費が高くても家計としてはバランスが取れているといえます。一方で、食費が原因で他の支払いが厳しくなっていたり、毎月赤字になっていたりする場合は、一度見直してみるのが良いかもしれません。
また、「健康のためにいいものを食べたい」「食事を家族の楽しみにしたい」という価値観を持っている人にとっては、食費にお金をかけること自体が生活の質を高める投資ともいえるでしょう。
生活水準を決めるのは、数字より“満足度”
「生活水準が低いかどうか」は、実は食費の金額や割合だけで決まるものではありません。
本当に大切なのは、家計全体のバランスとそのお金の使い方に納得できているかどうかです。
食費が高くても、家族が健康で、毎日の食事に満足していて、家計が無理なく回っていれば、それは立派な“安定した生活”と言えます。逆に、どれだけ支出を抑えていても、毎日がストレスだらけで満足感がなければ、それこそ生活水準が下がっているといえるかもしれません。
まとめ
もし、「うちはちょっと使いすぎかも…」と感じたら、まずは食費の内訳をざっくり確認してみることをおすすめします。外食やコンビニが多くなっていないか、食材のムダが出ていないか。そうした小さな見直しでも、意外と大きな改善につながります。
そして何より、「うちの生活はうちの価値観で作っている」と胸を張れるなら、多少数字が平均より高くても問題ありません。生活水準は、他人と比べて決まるものではなく、自分たちが納得できるかどうかが一番の基準です。
出典
総務省統計局 家計調査報告 〔家計収支編〕 2024年(令和6年)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
