「出張後」に、そのまま「観光」することは「法律的にNG」ですか? また交通費はどうなるのでしょうか?
本記事では、観光をしたいときに気になる法律的なポイント、交通費や宿泊費の精算範囲、トラブルを回避する方法を分かりやすく解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
出張後にそのまま観光しても法律的に問題はない?
結論からいうと、出張後に観光すること自体は、法律で禁止されていません。出張先で自由に観光したい気持ちは自然ですが、問題になるのは、業務中か私的行動かが曖昧になる点です。
企業側は、従業員の出張経費として、往復交通費や宿泊費など業務に必要な範囲のみ認めることが一般的です。そのため、観光費用を出張旅費として申請することは、原則として認められない扱いとなります。
さらに、税務上も「観光部分」を曖昧にして経費計上すると、業務以外の費用が給与とみなされ、法人税・所得税の課税対象となるリスクがあります。実際の税務調査事例では、業務の合間に少し観光した程度であれば問題になりにくいものの、観光が主体とみなされると厳しく指摘されることがあります。
交通費や宿泊費はどこまで精算の対象になる?
精算できる範囲は、業務に必要な範囲に限定されます。具体的には以下の通りです。
・精算可能な範囲
出発地点から出張先への往復交通費(最安ルート)、出張中の宿泊費、業務に必要な交通費など。
・精算対象外となる場合
観光のための交通費、私的な宿泊費や土産代、レジャー費など。
例えば、出張が終わった後に現地でそのまま観光のために旅行を続けた場合、帰りの交通費や追加の宿泊費を請求することは、会社が認めないケースが多いです。
トラブルを避けるために必要な対策とは?
私的行動に伴うリスクや誤解を避けるため、以下のような対応が重要です。
・上司への事前申告・承認
出張後に観光を予定している場合は、事前にその旨を上司に報告し了承を得ておくとトラブルを防げます。
・出張と私的行為の明確な区分
旅程表や領収書を整理し、「業務部分」と「私的部分」を明確に区別することで、税務調査や経理処理でのトラブルを回避できます。
・明文化された規定の整備
企業側として、「出張終了後の私的行動については自己責任で対応し、帰社ルールを明確にする」といった規定を設けておくとよいでしょう。
・労災の判断に注意
業務中の事故であれば労災となる可能性がありますが、観光中や有給中は原則労災対象外となるため、責任の所在を明確にしておく必要があります。
まとめ
出張後に観光することは法律で禁止されてはいません。ただし、法的に問題がないからといって、業務と私的行動を曖昧にすると、会社の旅費規定や税務上のリスク、労災対応などに支障が生じる場合があるため注意が必要です。
交通費や宿泊費は、業務に必要な範囲までが精算対象で、観光に伴う追加費用は原則として自己負担となります。そのため、出張と観光を組み合わせたい場合は、事前に上司へ申告したり、業務と私的行為を明確にしたりするなどの対策が重要です。
出張の延長で観光する場合でも、上記のように明確に線引きすることが大切です。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
