タンス預金が「13兆円減少した」というニュースを見ました。自宅に現金があった方が安心ではないのでしょうか?

配信日: 2025.09.13
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タンス預金が「13兆円減少した」というニュースを見ました。自宅に現金があった方が安心ではないのでしょうか?
「タンス預金」が大きく減っているというニュースが話題です。残高は2025年夏時点で約47兆円と、かつてのピークから13兆円も減少したようです。金利上昇で現金のゼロ利回りが不利になり、強盗事件や災害リスクへの懸念も広がっています。果たして自宅に現金=安心という考え方は、これからの時代でも通用するのでしょうか。
 
この記事で詳しく解説していきます。
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「タンス預金13兆円減」の背景は? 新紙幣と金利上昇が後押し

報道によれば、2025年7月時点で「タンス預金が13兆円」減少し、残高は約47兆円に縮小しているようです。
 
その背景には、近年相次ぐ強盗事件の発生や、利上げによって現金を持ち続けることによるゼロ利回りの機会損失が大きくなったこと、新札切替で家に眠る現金が表に出やすくなったことが挙げられます。
 
日本銀行は2025年1月に政策金利を0.5%へ引き上げることを決定しました。これを受け、3メガバンクなどが普通預金金利を0.2%へ引き上げました。
 

自宅に現金を置く場合のリスク

手元に多額の現金を置くことは、盗難・災害・相続・インフレのおもに4つのリスクがあります。
 
まず盗難についてですが、火災保険の盗難補償は現金や切手、印紙の上限が20万円などのケースが一般的で、高額の現金は守れません。さらに、自宅に多額の現金があることを犯罪グループに知られると、狙われる恐れもあります。
 
次に災害のリスクです。非常持出品として少額の現金は推奨されますが、逆に言えば、大金は防災目線でもリスクが残るということです。
 
相続でも、自宅の現金は申告漏れと疑われやすいうえ、近年は相続税の実地調査が増加しているようです。
 
そしてインフレですが、総務省によれば2025年7月分の消費者物価総合指数は前年同月比+3.1%で、現金は持っているだけで実質目減りする可能性があります。
 

預金保険と個人向け国債で「守り+利息」を両立

預金保険制度では、決済用預金(当座預金や利息の付かない普通預金など)が全額保護、一般預金等(利息が付く普通預金や定期預金など)は1金融機関・預金者1人あたり元本1000万円まで+破綻日までの利息等が保護されます。この枠を踏まえ、複数行に分けるのがセオリーです。
 
金利面では、メガバンクの普通預金が年0.2%程度に上がり、個人向け国債(変動10年)は年率1.06%となっています(2025年9月11日現在)。
 
元本保証・途中換金ルールを理解したうえで、「現金→預金→国債」の順に、守りと利息のバランスを取りやすい環境といえるでしょう。
 

家には少額の現金だけ。残りは保護と利回りがある場所へ

タンス預金13兆円減のニュースは、金利上昇で「現金を動かす合理性」が広く共有され始めたサインでしょう。お金の保管方法としては、下記の三層構造が安心感と効率の両立に有効と考えられます。

(1)非常時に使える少額の現金だけを自宅に確保
 
(2)生活費の大半は、預金保険の範囲を意識して銀行へ
 
(3)余剰資金は個人向け国債など、元本を守りつつ利息を得られる選択肢へ

手元に現金があると安心かもしれませんが、守られて増えやすい場所に資金を置く工夫こそが、家計の安心をより確かなものにするでしょう。
 

出典

総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)7月分(1ページ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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