来年旦那が定年を迎え、収入が「年金だけ」に… 現在は夫婦2人で“食費月8万円”ですが、減らさないとまずいでしょうか?
そこで本記事では年金生活の収入と支出の実態を確認し、食費や家計をどう見直すべきかを考えていきます。
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年金だけ生活になると収入・支出はどう変わる?
定年後の収入は、基本的に公的年金が中心となります。厚生年金に長く加入していた場合でも、現役時代の手取りに比べると6~7割程度に下がるのが一般的です。
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)」によると、65歳以上の夫婦のみで無職世帯の実収入額は25万2818円、社会保障給付額は月22万5182円、可処分所得は22万2462円となっています。
一方、支出面も変化します。子どもが独立し、教育費や通勤費といった現役時代特有の支出はなくなる一方で、光熱費や医療費は年齢とともに増える傾向があります。つまり、収入は減っても支出が自動的に減るとはかぎらず、現役時代と同じ生活スタイルを維持するのは難しくなることが多いのです。
月8万円の食費は平均と比べて多い?
では、夫婦2人で月8万円の食費は年金生活で適切といえるのでしょうか。「家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)」によると、65歳以上の夫婦のみで無職世帯における食費の平均は月7万6352円なので、8万円は平均よりやや高めの水準といます。
しかも、同調査では高齢者世帯の支出が収入を上回っているため、多くの世帯で貯蓄を取り崩して生活していると考えられます。年金だけで暮らす家庭では、食費が平均を少し上回るだけでも、長期的には家計の負担感が増す可能性が高いのです。
ただし、食費は外食の頻度や自炊の度合い、嗜好品購入額などライフスタイルによって大きく異なります。重要なのは、「無理なく節約できる部分があるか」を冷静に見極めることです。
見直せる支出・節約ポイントはここから!
日々の生活費には、工夫できる部分がいくつもあります。食費のほかにも固定費や毎月の習慣的な出費を見直すと、大きな節約につながります。具体的には、次のようなポイントがあります。
まずは、食費です。自炊を基本にしてまとめ買いを活用する、総菜や外食を減らす、安い食材で栄養バランスのよい食材選びなどを心掛けると、月数千~数万円の効果が見込めます。
次に、光熱費です。電気・ガスのプランの見直しや省エネ家電の使用をするだけでも負担は下げられます。また、エアコンや給湯の使い方を工夫すれば、さらに効果が期待できます。
また、通信費や保険料も大きな見直しポイントです。格安スマホへの切り替えや不要なオプションの削減、保険契約の見直しをすることで、年間数万円単位の削減も可能になります。
さらに、住居費や医療費も注意が必要です。持ち家の場合は修繕費や固定資産税、賃貸の場合は家賃や更新料に注意が必要です。医療費は年齢とともに増える傾向にあるため、高額療養費制度など公的制度の活用をすると負担軽減に役立ちます。
このように、食費だけでなく家計全体を見直すと、無理なく続けられる節約と長期の安心につながります。
無理なく安心して年金生活を送る工夫を始めよう
定年後、年金だけで暮らす生活では収入が減るため、支出を現役時代と同様に維持すると家計が苦しくなる可能性があります。「家計調査報告」の平均額と比較すると、夫婦2人で月8万円の食費は少し高めであり、年金生活に合わせた家計の見直しが必要です。
まずは、自分たちが受け取れる年金額を把握し、家計全体をシミュレーションしてみましょう。そのうえで、食費や光熱費、通信費など日常的な支出から無理なく改善していくのがおすすめです。今すぐ家計の見直しを始めて、年金生活を安心・安定したものにしていきましょう。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)
厚生労働省 いっしょに検証! 公的年金 ~年金の仕組みと将来~ 第10話 給付水準の将来見通し
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
