「桃498円」「梨398円」…1個で“ランチ1食分”だけど、普通の会社員に「くだもの」はぜいたく品!?“食費の平均”から見える現実とは
ランチ1食分に匹敵する価格の果物は、果たして一般的な会社員にとって「ぜいたく品」なのでしょうか。本記事では、果物の相場や価値について解説します。
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くだものの相場は?
2025年夏、首都圏のスーパーでは桃が1個498円前後、梨が398円前後で販売されています。ぶどうは1房600円~1000円、りんごは1個200円前後が相場です。比較的安価なバナナやみかんを除けば、多くの国産果物は「数百円単位」での購入が一般的です。
日本の果物は、流通過程で厳しい品質基準を満たす必要があります。糖度や形が基準に合わないものは市場に出回らず、鮮度を保つための輸送コストも価格に反映されます。
海外では袋詰めで手ごろに販売される場合がありますが、日本では1個単位で選別・販売されることが多いため、どうしても高値になりやすいのです。
さらに、季節性も価格を左右します。旬の初めや終わりは高値になりやすく、ピーク時にはやや落ち着きます。それでも「ランチ代と同じくらい」と考えると、頻繁に購入するのは難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。
くだもの1個でランチ1食分? 食費の平均から見える現実
社会人の昼食代は、外食で700円から900円程度、コンビニ弁当は500円から600円程度が一般的だといわれています。桃や梨を1個購入すると、こうしたランチ代とほぼ同等の金額になるため、「果物=ぜいたく」と感じられやすいのです。
家計の中で果物に充てられる支出は、決して大きな割合を占めるわけではありません。主食やタンパク源となる食品に比べると優先度は下がりやすく、物価上昇時には真っ先に削られやすい傾向があります。そのため、果物は生活費を調整する際に影響を受けやすい項目です。
子どもの頃は当たり前のように食べていた果物が、大人になるとぜいたくに思える背景には、このような家計上の優先順位や生活費の構造が関係していると考えられます。
くだものはぜいたく品? くだものを食べるメリット
価格を理由に果物を控える世帯がある一方、果物には健康面で大きなメリットがあります。果物にはビタミンCやカリウム、食物繊維などが豊富に含まれています。これらは免疫力を支えるほか、血圧や腸内環境の改善にも役立ちます。
旬の果物は栄養価が特に高く、自然な甘みで満足感を得られるため、菓子や清涼飲料の代替にもなります。加工食品に比べ、果物には精製された糖質や添加物が含まれていないため、健康的な食生活を心がける上でも有効です。
また、果物に含まれる水分と食物繊維は、食後の満腹感を高め、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。このように、果物は単なる嗜好(しこう)品ではなく、日々の健康維持に欠かせない重要な役割を担っているのです。
くだものは“高い”けれど、暮らしを豊かにする存在
確かに果物は高価で、毎日の食卓に並べるのは簡単ではありません。しかし、その価値を価格だけで評価するのはもったいないことです。果物には栄養面だけでなく、文化や経済的な面でも重要な意義があります。
例えば、果物は旬の時期によって味わいが大きく異なります。夏の桃や梨、秋の柿やぶどう、冬のいちごやみかんなど、季節ごとの変化を楽しめば、日々の食卓に豊かさをもたらすでしょう。
また、購入方法を工夫すれば、家計の負担を抑えることも可能です。特売日を狙ったり、旬の時期にまとめ買いして冷凍保存したりすれば、賢く栄養を取り入れられます。果物は単なるぜいたく品ではなく、健康と文化を支える食材です。
価格が高くても、暮らしを豊かにする価値は十分にあるといえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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