「YouTubeの広告がイヤ」と中学生の娘から相談が…「月1280円」かかりますが、子どもの“安心”のために課金すべきでしょうか?
そんなとき、「じゃあ広告が出なくなるYouTube Premiumに課金する?」と考えるかと思います。ただ、月額料金を支払う価値は本当にあるのかと迷っている人は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、親子それぞれのモヤモヤをほどきながら、YouTube Premiumに課金すべきか否かの判断基準を解説します。
FP2級、AFP、簿記3級
目次
広告が「イヤ」なワケは、タイミングや内容のミスマッチ
YouTubeの広告が嫌われる大きな理由の一つは、動画の流れを中断するタイミングです。数十秒でスキップできる広告でも、楽しく見ていた流れが途切れてしまいます。
もう一つは広告内容の不快感です。興味がない商品や、繰り返し出てくるPRなどが代表例です。広告の多くは視聴履歴に基づいて表示されていますが、すべてが本人の関心に合うわけではありません。
また、YouTube広告の仕組みとして、子ども向け動画の場合はパーソナライズ広告が制限されていますが、子どもが観る可能性のあるすべての動画に適用されているわけではありません。親としては「見せたくない広告を減らす工夫」と「視聴の中断を少なくする工夫」をどう両立するかがポイントになります。
YouTube Premiumは時間と安心に課金するサービス
YouTube上の動画の広告をなくすにはYouTube Premiumへの登録が必要です。登録すれば広告が非表示になり、加えてバックグラウンド再生やオフライン再生も可能になり、YouTube Musicも利用できます。価格は、個人は月額1280円で、ほかに家族まとめて使えるファミリープランや学生向け割引も用意されています。
例えばファミリープランは、家族それぞれが自分のデバイスで長時間YouTubeを視聴する家庭なら割安と言えます。また、移動中にBGMや動画を流し続けたいというニーズにも向いています。一方、自宅で少し利用する程度の家庭や、広告設定を調整できている家庭は、課金せずに利用しても十分でしょう。
お金をかけずに広告の不快感を減らす方法
YouTube Premiumに課金しない限り、YouTube上の広告をなくすことはできませんが、広告の出方を調整することは可能です。Googleの「My Ad Center」では、興味のないトピックやブランドを制限したり、パーソナライズ広告をオフにする選択も可能です。合わない広告に出会ったら「情報」や「詳細」から広告を報告できます。
なお、YouTube Premiumに課金せずに広告をブロックするシステム(アドブロッカー)は存在しますが、YouTubeの利用規約で禁止されており、最悪の場合、アカウント停止のリスクもあるためおすすめしません。
また、中学生以上の子どもであれば、13歳以上の未成年向けに保護者が子どもを守る「管理付きアカウント」も活用できます。このアカウントでは13歳以上に適した動画コンテンツが閲覧可能となっている一方、不適切な動画を閲覧できない仕組みです。
課金の判断軸は時間×人数×安心感で考える
課金をするかどうかについては、結論として、以下の3点を掛け合わせて判断するのが良いでしょう。
1. 月にどれくらいYouTubeを見るか
2. 家族何人がどの端末で使うか
3. 広告によるストレスや学習への影響をどれほど重視するか
例えば、家族3人が日常的に動画や音楽を長時間利用するならYouTube Premiumの価値は高いでしょう。逆に、平日はほとんど利用せず、週末に少しだけという家庭なら、広告設定を工夫するだけで十分です。
中学生以上のお子さんがいる場合は、広告のテーマ制限や視聴時間のルールを親子で合意し、それでも不快感が大きいなら課金を検討する、といった流れで決めていくのが良いでしょう。
「課金」はゴールではなく、親子の納得を買う手段
YouTube Premiumは快適さと安心に投資する手段です。広告設定や管理付きアカウント機能で十分に快適な視聴環境を整えられる家庭もあります。まずは無料でできる工夫を試し、そのうえで、日々のストレスや学習環境を改善したいという希望があるのであれば、月1280円は「家族の時間を取り戻す費用」として意味があるのではないでしょうか。
最終的に大切なのは親子の納得感です。お子さんと一緒に「何がイヤで、何を大事にしたいのか」を言葉にしてから決めてみてください。
出典
YouTube Premium 公式HP
執筆者 : 大林郁哉
FP2級、AFP、簿記3級
