40代の平均貯蓄額は「900万円」ほどと聞きました…子どもにお金がかかり全く貯金できないのですが「老後貧乏」まっしぐらでしょうか?
特に子育て世帯にとっては、日々の教育費や生活費に追われ貯金なんて全くできない、という現実もあるでしょう。
本記事では、40代の貯蓄状況とともに、貯蓄が難しい状況から老後資金を準備する方法をまとめました。
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目次
40代の貯蓄額「平均値」と「中央値」
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)二人以上世帯」によると、40代の二人以上世帯における金融資産保有額の平均は、944万円です。これが「900万円ほど」という情報の根拠となっていると考えられます。
しかし、平均値は、一部の資産を多く保有する人によって引き上げられる可能性があるため、より実態に近いとされる「中央値」を見る必要があるでしょう。
40代の中央値を見ると、250万円であることが分かりました。これは、平均値の944万円と4倍近い差があることになります。
これらの数字から見ると、実際の40代世帯の貯蓄額は、報道などで耳にする平均貯蓄額よりも低いと考えられます。
実際は「貯蓄ゼロ」世帯も少なくない!?
同調査によると、40代の二人以上世帯のうち「貯蓄がゼロ」と回答した世帯は25.7%に上ります。これは、およそ4世帯に1世帯が貯蓄のない状況ということです。
一般的に40代は、子育てや住宅ローンなどにより、人生で最も支出が重なる時期ともいえるでしょう。そのため、貯蓄ができないからといって、自分を過度に責める必要はなく、家計の状況を客観的に把握することが大切といえます。
40代の貯蓄が難しい原因
40代、特に子育て世帯で貯蓄が進まない背景には「教育費の増大」「住宅ローンの負担」「親の介護費用」などによる支出の増加があると考えられます。
子どもの成長とともに、塾や習い事、将来の大学進学費用など、教育費は右肩上がりに増えると予想されます。さらに、マイホームを購入した場合、住宅ローンの返済が家計を圧迫することもあるでしょう。
加えて、40代では予期せぬ出費として、親の介護費用が発生する可能性も考慮しなければなりません。
これらの支出が重なることで、手元に残るお金が減り、貯蓄に回す余裕がなくなる40代世帯は少なくないでしょう。
40代から貯蓄を増やすには?
40代は、定年までまだ20年近い時間があります。これから貯蓄を増やすために「家計の見直し」と「先取り貯蓄」を実践しましょう。
家計におけるお金の流れを知るために、家計簿アプリなどを活用し、毎月の収入と支出を正確に把握することが大切です。そのうえで、通信費や保険料、外食費、娯楽費、サブスクリプション費用などを見直し、無駄な支出を削減しましょう。
貯蓄を増やすために効果的といわれる方法が「先取り貯蓄」です。給料が振り込まれたら、まず貯蓄分を別の口座に移し、残ったお金で生活する習慣をつけることで、貯蓄を着実に増やせます。
財形貯蓄制度や銀行の自動積立サービスを活用したり、目的別に口座を分け、生活費・教育費・老後資金など用途ごとに管理したりすると続けやすいでしょう。
そのほか、2024年から新制度が始まったNISAや、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を利用して、少額からでも資産形成を図ることも検討するとよいかもしれません。
ただし、iDeCoは原則として60歳まで資金を引き出せないという制約があります。教育資金など近い将来に必要となる資金ではなく、老後資金として活用することが大切です。
なお、NISA制度の対象となっている金融商品は元本保証がないため、資産が減少する可能性もあります。
また、iDeCoも元本確保型以外の商品を選択した場合や、元本確保型の商品を選んだ場合でも、手数料が運用益を上回ると元本割れの可能性がある点に注意しましょう。
より実態に近い数字とされる中央値は250万円で、多くの場合平均額よりも下回ると考えられる。できる範囲で貯蓄を増やす努力が必要
40代の平均貯蓄額は944万円ですが、実態に近いといわれる中央値は250万円です。このことから、多くの40代世帯は平均よりも少ない貯蓄額であると考えられます。
また、40代の4分の1以上の世帯が貯蓄がないと回答しており、40代世帯が貯蓄を増やすことの難しさを示しているといえるでしょう。
今は貯蓄ができていなくても、自身の家計の状況を正しく把握し、対策を打つことは「老後貧乏」を避けるのに役立ちます。減らせる支出はないか見直し、先取り貯蓄などで少しずつでも貯蓄を増やすことが大切です。
出典
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年 二人以上世帯 各種分類別データ
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
