涼しくなっても「エアコンは24度」と譲らない夫。せめて「28度」にしてほしいのですが、「電気代は変わらない」とのこと。実際どのくらい違うのでしょうか?
環境省では省エネルギーの観点を踏まえつつ快適な生活を送ってもらうために、夏期の室温を28度にすることを推奨しています。電気代のことを考えても、エアコンの温度を28度に設定したいと考える人は少なくないのではないでしょうか。一方で、涼しさを求めて24度くらいでしっかり冷やしたいという人もいるでしょう。
家庭内で「節約のために28度をキープしたい」「暑いと何をする気も起きないから、24度で快適に過ごしたい」などと意見が分かれるのも無理はありません。それでは、エアコンの設定温度が24度の場合と28度の場合では、電気代はいくらくらい変わるのでしょうか。
省エネセンターや環境省のデータを参考に、1日12時間エアコン(冷房)を稼働させるケースで確認します。
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エアコンの温度設定で電気代はどう変わる?
まずはエアコンの設定温度を変えると、電気代にどの程度の影響があるのかを確認します。
財団法人省エネルギーセンターによると、冷房時に設定温度を1度上げると電力消費量を約13%抑えることができるとされています。たった1度の差で約13%ですから、4度上げると消費電力は約57%抑えることができます。
ちなみに環境省が推進する「クールビズ」では、夏場の適切な室温として28度が目安とされています。そのこともあってか、同じく環境省の調査ではエアコンの冷房設定温度を28度にしている家庭が最も多く、全体の30%以上を占めています。さらに、27度以上に設定している世帯まで含めると約65%に。一方で24度以下はわずか6%にとどまっています。
24度と28度でどれくらい違う? 具体的な金額をシミュレーション
次に、冷房を1日12時間使用する家庭の電気代について考えます。
今回の計算では、パナソニックのエアコン(パナソニック エオリア 2025年モデル・CS‑X365D/主に12畳用/冷房使用時の消費電力は825ワット)を例に使い、電気料金の単価は31円/キロワットアワー(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安)とします。消費電力について、今回は単純な計算のために変わらないとしています。
この場合、1日12時間冷房を使用した場合の電気代は約307円、1ヶ月では約9210円となります。
●1日あたりの電気代
0.825×31円×12時間=約307円
●1ヶ月あたりの電気代
約307円×30日=約9210円
このとき、エアコンの設定温度が仮に28度だった場合、設定温度を24度に下げると単純に考えた場合消費電力が75%増えるため、電気代は1日あたり約537円、1ヶ月で約1万6110円となり、その差は約6900円です。
●1日あたりの電気代
0.825×1.75×31円×12時間=約537円
●1ヶ月あたりの電気代
約537円×30日=約1万6110円
1ヶ月で約6900円、ワンシーズンでは約2万700円も違う
1ヶ月で電気代が約6900円も違うというのは驚きですね。さらに夏の間ずっと24度設定にしていた場合は、ワンシーズン(3ヶ月)で差が約2万700円に達します。今年は特に暑かったため、6月からエアコンを使用している人がいることを考えると、この夏の電気代の差はもっと大きくなるでしょう。
まとめ
とはいえ、節約のためだけに設定温度を28度にキープすることが難しい場合もあるでしょう。外から帰って来たばかりで体温が上がっているときや、リモートワーク中などは温度を下げて快適に過ごしたいこともあるでしょう。
ただ、エアコンの設定温度によって電気代がいくら変わるのかを具体的に知ることも大切です。家計への影響を考えながら柔軟に設定温度を調整する習慣を取り入れるきっかけになるといいですね。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
