会社員夫婦・自炊ゼロ! 朝昼晩すべて外食かお総菜で、毎月の食費は約10万円。ぜいたくしすぎですか?

配信日: 2025.09.25
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会社員夫婦・自炊ゼロ! 朝昼晩すべて外食かお総菜で、毎月の食費は約10万円。ぜいたくしすぎですか?
共働きで忙しい会社員夫婦が、朝昼晩すべて外食や総菜で済ませ、毎月の食費が約10万円かかる場合、これはぜいたくなのか、それとも現代のライフスタイルに即した妥当な支出なのでしょうか。
 
本記事では、物価高騰や時間価値の変化を踏まえ、食費の適正ラインと家計への影響を見ていきます。
柴沼直美

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

まずは平均と比較してみよう

総務省「家計調査報告(2025年7月分)」によると、二人以上勤労世帯(世帯人数2.87人)の平均食費は月額9万6919円。そのうち外食費は2万445円となっています。つまり、相談者ご夫婦の食費10万円は平均をやや上回る程度ですが、外食費に限れば平均の4倍以上と推定されます。
 
ただし、これはあくまで「平均」であり、生活スタイルや価値観によって大きく異なります。特に都市部の共働き世帯では、時間の制約から外食や総菜に頼る傾向が強いです。
 
事実、こちらのご夫妻の食費はほぼ外食費になり、食材を購入していないということが分かりますので、平均的な食費として考えれば「やや多め」とはなりますが、平均値だけで「ぜいたく」と断じるのは早計といえるかもしれません。
 

外食中心の生活が家計に与える影響

外食費は、物価上昇の影響を強く受けているといわれています。特に加工食品やファストフードの値上げが顕著で、外食中心の生活は家計を圧迫しやすい構造になっています。
 
一方で、外食は「選択的支出」に分類され、収入が減った際に削減しやすい項目です。つまり、収入が安定しているうちは問題が表面化しにくいものの、将来的な収入減やライフイベント(住宅購入・子育て・介護など)に直面した際、柔軟に見直すことができるかが重要なポイントになります。
 

自炊ゼロのメリットとリスク

外食や総菜中心の生活には、調理時間の節約、食材の無駄がない、栄養バランスが整ったメニューを選べるなどのメリットがあります。特に共働き世帯にとって「時間の節約」は大きな魅力といえるでしょう。
 
一方で、外食で取り上げられているリスクも考慮すべきです。食材が値上がりしたときに、食材で調整することができないので、直接メニューの値上がりの影響を受けるだけでなく、外食メニューでは塩分・脂質過多の傾向があり、長期的には医療費負担増加が懸念されます。
 
さらに、災害時や収入が減少したときに自炊で工夫する習慣がないと、柔軟に対応できないというデメリットもあります。
 

「ぜいたく」かどうかの判断基準

食費が「ぜいたく」かどうかを判断する3つの視点を、以下で参考までに紹介します。
 

1. 収入とのバランス

食費が手取りの20~25%以内であれば、一般的には健全とされます。
 

2. 他の支出との兼ね合い

住宅費・教育費・老後資金など、将来に向けた支出とのバランスがとれているか確認しましょう。
 

3. 生活満足度

外食によって得られる満足度が高く、他の支出を抑えてでも大事にしたいと感じているのであれば、単なる食事以上の価値があるととらえることもできるでしょう。
 
仮に手取りが月40万円であれば、食費10万円は25%。ギリギリ許容範囲ですが、他の支出が膨らめば家計の余裕は失われることには留意しておきましょう。
 

改善に向けて

それでも「ぜいたくをしているのでは」と感じたら、無理のない範囲で自炊や調理に取り組んでみるとよいでしょう。例えば、週1~2日を自炊デーとして簡単な調理でも、健康を重視しつつ食費を抑える工夫を楽しんでみてはどうでしょうか。
 
あるいは最近は、定額制のミールキットなども提供しているメーカーが増えています。調理時間が短くて済みますので、自炊を始めるきっかけとしてみるのもいいかもしれません。
 

まとめ

食費10万円は平均より高めですが、共働き世帯のライフスタイルや時間価値を考慮すれば、一概に「ぜいたく」とは言い切れません。ただし、物価上昇や将来の支出に備えるためには、柔軟な見直しが不可欠です。
 
自炊ゼロでも、少しの工夫で家計と健康の両立を意識して、ストレスなく長続きできるかを確認しながら取り組んでいくといいでしょう。
 

出典

総務省 家計調査報告 2025年(令和7年)7月分(二人以上勤労世帯)
 
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者

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