夏場の電気代が「2万円」近くになってしまいました。エアコンのフィルターや室外機を掃除すると電気代が安くなるそうですが、どのくらい下がるのでしょうか?

配信日: 2025.09.27
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夏場の電気代が「2万円」近くになってしまいました。エアコンのフィルターや室外機を掃除すると電気代が安くなるそうですが、どのくらい下がるのでしょうか?
今年の夏、電気代が高くなって驚いたという声が多く聞かれました。近年はエアコンの使用が増えただけでなく、電気料金そのものが上がっていることも影響しています。
 
電気代の高騰には社会的な要因があり、家計にとって避けがたい部分もありますが、家庭でできる工夫もあります。その一つが、エアコンのフィルターや室外機の掃除です。
 
本記事では、電気料金が上がった背景と、掃除による節電効果について解説します。
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今年の電気代が高騰した背景

電気料金が上昇したのは、家庭の使用方法だけが原因ではありません。2025年には制度や国際情勢の影響により、電気料金そのものが大きく変動しました。
 
特に大きな要因の一つが、再生可能エネルギー発電促進賦課金の引き上げです。2025年度の単価は1キロワットアワーあたり3.98円と設定され、前年度の3.49円から約0.5円の上昇となりました。これにより、標準的な家庭(月260キロワットアワー使用量)では、月に130円程度の負担増となります。
 
また、2023年から実施されてきた「電気・ガス料金の負担軽減策」が2024年末にかけて段階的に縮小され、2025年初めにはほぼ終了しました。これに伴い、補助がなくなった分が料金に反映され、家庭の負担が増加しています。
 
さらに、国際的な燃料価格の高騰や円安の影響も無視できません。発電に不可欠な液化天然ガス(LNG)や石炭などの燃料を日本はほぼ輸入に頼っており、これらの価格変動や為替レートの変動が電気代に直接影響を与えています。
 
これらの要因が重なったことで、2025年の電気料金は多くの家庭で例年以上に高くなっています。
 

家庭でできる対策:エアコン掃除による節電効果

電気代高騰の大部分は社会要因ですが、家庭で工夫できる部分もあります。特に効果的なのが、エアコンの定期的な掃除です。
 
環境省の「みんなで節電アクション!」によれば、フィルターを月2回掃除することで、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力削減が可能とされています。
 
例えば、夏の電気代が2万円だった場合、フィルター掃除によって 年間で800円程度の節約 が期待できます。金額としては小さいかもしれませんが、複数の省エネ対策と組み合わせることで、全体として大きな効果を生み出します。
 
また、室外機のまわりをきれいに保ち、風通しをよくすることも推奨されています。落ち葉や雑草でふさがれると熱交換の効率が落ちるため、余計な電力を消費してしまいます。環境省も、屋外機周辺の整理を省エネ行動の一つとしてすすめています。
 
このように、こまめなメンテナンスがエアコンの効率を向上させることで、節電と電気代削減につながります。
 

秋から冬にやっておきたい準備

夏の酷使を終えたエアコンは、そのまま放置すると冷暖房効率が落ちてしまうこともあります。冷房を使わなくなる秋は、エアコンのメンテナンスに適した時期です。秋から冬にかけて次のような手入れをしておくことで、来シーズンの冷房も快適に使えるようになります。
 
(1)フィルターを取り外して丸洗い
来年の夏まで汚れがためないよう、フィルターを取り外して水洗いしましょう。ホコリや花粉をしっかり除去すると風通しがよくなり、冷暖房の効率向上が期待できます。
 
(2)室外機まわりの整理
植木鉢や物を撤去し、室外機の風通しを確保しましょう。これにより熱交換効率が向上し、冬の暖房時の燃費改善にもつながります。
 
(3)内部乾燥機能の活用
冷房停止後に送風運転を数時間行い、エアコン内部の湿気を飛ばしましょう。カビ発生を防止し、健康被害を防ぐ効果があります。
 
(4)定期的な点検や専門清掃の活用
数年使い続けているエアコンは熱交換器やファン内部に汚れがたまりがちです。シーズンオフに専門業者へ点検・クリーニングを依頼すると、効率維持や故障予防に役立ちます。
 
これらの準備をすることで、来夏の電気代節約と快適な空調環境が期待でき、今年と同じ思いをしなくて済む可能性が高まります。
 

外部要因は避けられないが、家庭の工夫で備えられる

2025年の電気代が高騰した背景には、再エネ賦課金の引き上げや政府補助の終了、国際的な燃料価格の上昇や円安といった社会的要因がありました。これらは、家庭の努力だけで避けられるものではありません。
 
一方で、エアコンのフィルターや室外機を掃除するといった小さな工夫で、冷房時には数%の節電効果が期待できます。月数百~1000円程度の節約でも、積み重ねれば家計への負担を和らげる助けになります。
 
冷房を使わない秋から冬は、エアコンの手入れや点検をする絶好のタイミングです。今年の経験を踏まえて今のうちに準備をしておけば、来年の夏はより快適かつ経済的に過ごせるでしょう。
 

出典

経済産業省 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します
環境省 みんなで節電アクション! 特設サイト
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約 エアコン
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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