自宅に「太陽光発電」を導入したいのですが、“100万円以上”かかりそうです。何年で元が取れるのでしょうか?
太陽光発電システムの導入には高額な費用がかかるため、元が取れるかどうかを確認したうえで購入した方がよいかもしれません。
本記事では、太陽光発電システムの導入費用や元が取れるまでの年数目安をご紹介します。
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目次
太陽光発電システムの導入費用
経済産業省 資源エネルギー庁によると、2024年における住宅用太陽光発電の設置費用の平均値は28万6000円/キロワットで、2023年より1.0%、2022年より6.5%増加しています。費用内訳としては、太陽光パネルが約47%、工事費が約29%を占めています。
設置費用の総額はソーラーパネルの容量によって変わるため、表1を参考にするとよいでしょう(設置費用の平均値を基に算出)。
表1
| 容量 | 設置費用相場 |
|---|---|
| 3キロワット | 約85万8000円 |
| 4キロワット | 約114万4000円 |
| 5キロワット | 約143万円 |
| 6キロワット | 約171万6000円 |
| 7キロワット | 約200万2000円 |
※筆者作成
今回の事例では「100万円以上かかりそう」ということなので、容量4キロワット以上のソーラーパネルを設置しようとしていると考えられます。
太陽光発電の電力をすべて自家消費に充てた場合は何年で元が取れる?
今回は、4キロワットのソーラーパネルを導入した場合の年間発電量を確認してみましょう。一般社団法人太陽光発電協会では、設置容量1キロワットあたりのシステム年間発電量を約1000キロワットアワーとして算出しています。すると、住宅屋根に4キロワットの発電設備を設置した場合、約4000キロワットアワーの年間発電量となる見込みです。
つまり、114万4000円の設置費用をかけて導入した太陽光発電システムで、年間4000キロワットアワー程度の発電ができることになります。
一般社団法人太陽光発電協会の2024年度表示ガイドラインでは、一般家庭の平均年間電力消費量は4602キロワットアワーということなので、1年間に必要な電力量の87%程度を太陽光発電システムで賄えることになります。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が電気料金の目安単価としている31円/キロワットアワーを使用すると、年間12万4000円の電気代を節約できる計算です。太陽光発電の電力をすべて自家消費に充てた場合は、約9年で導入費用を回収できることになります。
早く元を取るには余剰売電で収入を得る方法がおすすめ
太陽光発電で生み出した電力は、電力会社に売電することが可能です。家庭で使い切れなかった分の電力を売ることを「余剰売電」といいます。
経済産業省 資源エネルギー庁によると、2025年4~9月の太陽光1キロワットアワーあたりの売電価格は15円です(10kW未満の場合)。
自家消費で電気代を節約すると同時に、余剰売電で収入を得ることで、経済的なメリットが二重で得られるようになるでしょう。
電力をすべて自家消費した場合は約9年で元が取れる可能性がある
住宅用太陽光発電の設置費用の平均値は28万6000円/キロワットなので、100万円以上かかるということは4キロワット以上の容量のソーラーパネルを設置する予定であると考えられます。4キロワットのソーラーパネルの設置費用の平均は約114万4000円です。
このシステムを導入した場合、太陽光発電の電力をすべて自家消費すると約9年で導入費用を回収できる計算になります。
また、自家消費とあわせて、家庭で使い切れなかった電力を電力会社に売ることで収入を得られれば、早めに元が取れる可能性があります。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 太陽光発電について(2024年12月) (2)国内のコスト動向:システム費用(設置年別の推移)(38ページ)
経済産業省 資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2025年度以降)
一般社団法人 太陽光発電協会
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A Q.カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
