「節約のつもりでシャワー派」…実は光熱費、湯船にお湯を張るほうが安くなることも!?
この記事では、シャワーと湯船にお湯を張る場合の光熱費を比較します。
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シャワーと湯船、本当にお得なのは?
入浴をシャワーのみで済ませる場合と湯船にお湯を張る場合では、どちらがお得か一概にはいえません。ここでは、それぞれにかかるガス代を比較してみましょう。
比較条件について
シャワーと湯船を比較するのにあたり、下記の条件でシミュレーションしています。
●浴槽に張る湯量は180リットル
●シャワー水量は1分あたり約10リットル
●水温25度の水を42度まで加熱(温度差17度)
●給湯器の熱効率は約80%
●発熱量は1万750キロカロリー
●ガス料金は、東京ガス株式会社のガス料金表より1立方メートルあたり147.76円(25年10月検針分)
湯船にお湯を張った場合のコスト
湯船に1回180リットルのお湯を張ると、3060キロカロリーの熱量が必要で、ガス使用量は約0.36立方メートルです。これをガス料金に換算すると約53.19円、湯船にお湯を張って入浴するためのガス代は1回あたりおよそ53円です。
シャワーの場合のコスト
シャワーは1分あたり約10リットルのお湯を消費するため、15分利用したとすると150リットルです。この場合に必要な熱量は2550キロカロリーで、ガスの使用量は約0.30立方メートル、料金にすると約44.33円です。
つまり、入浴を15分間のシャワーで済ませられるなら、お湯を張るより安くなります。一方、20分間シャワーをすると、使用湯量は200リットル、ガス代は約59円と、湯船にお湯を張るよりも費用が高くなってしまいます。
季節やライフスタイルで変わる節約効果
シャワーと湯船にお湯を張る際のガス代をシミュレーションしましたが、節約効果は季節やライフスタイル、家族構成などでも変わってきます。
夏はシャワーが効果的
暑い季節にはシャワーが効果的です。入浴を短時間のシャワーで済ませられることが多いためです。前述の条件で、5分間でシャワーを済ませられれば、使用湯量は50リットル程度、ガス代は15円前後に抑えられます。
冬は湯船がおすすめ
冬は水温が低いため、お湯を沸かすのに多くのエネルギーが必要です。また、体を温めるためにシャワー時間が長引けば、湯船にお湯を張るよりもコストがかかってしまいがちです。湯船に浸かれば体が芯から温まるため、入浴後の暖房使用を減らせる節約効果も期待できるでしょう。
入浴スタイル・家族構成で選ぶ
シャワーか湯船にお湯を張るか、どちらがコストカットになるかはライフスタイルや家族構成などに大きく左右されます。一人暮らしであれば毎日湯船にお湯をためる必要がないと考える人がいるかもしれません。一方、家族が複数いる場合は、湯船にお湯をためたほうが経済的でしょう。
ゆっくり湯船に浸かりたい、シャワーで手短に済ませたいなど、自分の入浴スタイルを優先させるのがもっとも満足感が高いともいえます。
入浴時の光熱費節約法を紹介
節水型シャワーヘッドの設置や湯船のお湯の再利用、入浴のタイミングなどを工夫するのも、入浴時の光熱費節約に有効です。
節水型シャワーヘッドを導入
節水型シャワーヘッドを使えば、1分あたりの使用湯量を10リットルから6リットル程度に抑えられるケースがあります。前述の条件で15分間シャワーを浴びる場合、ガス代を26円程度に削減できます。
浴槽のお湯を再利用
湯船のお湯で髪や体を洗えば、シャワーの使用量を大幅に減らせます。
入浴タイミングの工夫
家族が時間を空けずに入浴すれば、追い炊きが不要になり、その分のガス代が抑えられます。浴槽にふたをしてお湯が冷めるのを防ぐなどの工夫が効果的です。
シャワーと湯船、光熱費節約になるのは?
今回の条件で、浴槽に180リットルのお湯を張る場合は約53円のガス代がかかるのに対し、シャワー15分なら約44円、シャワー20分なら約59円です。シャワーか湯船にお湯を張るか、どちらが節約になるかは、入浴時間や家族構成などが大きく関わります。また、季節や気温によっても左右されます。
節水型シャワーヘッドの導入やお湯の再利用、入浴のタイミングなど、ちょっとした工夫がガス代の節約につながるため、生活に取り入れられるものから実践してみるとよいでしょう。
出典
東京ガス株式会社 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通) 東京地区等 一般契約料金 B表 25年10月検針分
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
