日本の平均貯蓄額が「1307万円」なのに中央値は「330万円」!?どちらの金額を目安にすればよいの?

配信日: 2025.09.30
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日本の平均貯蓄額が「1307万円」なのに中央値は「330万円」!?どちらの金額を目安にすればよいの?
日本人貯蓄額の平均値が1307万円なのに対し中央値が330万円と大きな差があり、どちらを参考にすればいいか分からない方もいるでしょう。
 
本記事では、平均値と中央値の意味や貯蓄額はどちらを目安にすべきかを解説します。平均値と中央値、どちらを目安にすればいいか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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日本の貯蓄額の平均と中央値に差が出るのはなぜ?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、平均は1307万円、中央値は330万円でした。平均と中央値で997万もの差がありますが、「どうしてこんなに違うのだろう」と疑問を抱く方もいるでしょう。
 
ここでは、平均値と中央値の違いを整理し、その背景を解説します。
 

平均値

平均値とは、すべてのデータを合計し、その数で割った値です。学校のテストの平均点や、会社でよく耳にする平均年収などもこの考え方に基づいています。
 
例えば「5、10、15、20、200」という5つの数値を例に計算すると、合計は250で、5で割ると平均は50となります。ただし、平均は極端に大きな数値に左右されやすい特徴があります。
 
今回の調査でも同様に、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯が12.7%と全体で2番目に多い割合となっており、このような富裕層のデータが平均を大きく引き上げていると考えられます。
 
そのため、平均値は「社会全体の数字」を把握するには便利ですが、「自分がどの位置にいるのか」を知るには少々不向きといえるでしょう。
 

中央値

中央値とは、データを小さい順に並べたときにちょうど真ん中に位置する値を指します。極端に大きな数値や小さな数値に影響されにくいです。
 
例えば「2、4、6、8、100」という5つの数を使うと、中央値は真ん中の「6」となりますが、平均値は合計120を5で割って計算するので「24」になります。100という外れ値に引きずられた結果、平均値は実際よりも高い数値が示されてしまいます。
 
一方で中央値は「6」と、実際に多くの数値が分布している水準を的確に表していることが分かるでしょう。
 
ただし、中央値にも注意点があります。中央値は真ん中の一つを示すだけで、周辺の分布や世帯ごとの幅広い状況までは表せません。したがって、現状を正しく理解するには平均値と中央値を合わせて確認することが重要です。
 
今回の年収の場合だと、生活実感に近い基準としては中央値330万円を参考にするといいでしょう。
 

平均値と中央値はどうやって使い分ける?

データを正しく理解するためには、平均値と中央値の特性を知り、状況に応じて使い分けることが大切です。どちらが優れているというものではなく、それぞれ異なる性質を持っています。
 
平均値はデータ全体の傾向を把握したり、異なる集団同士を比較したりするときに有効です。例えば商品の販売動向を調べる際、1週間の平均販売数を算出すれば、在庫や仕入れの目安を立てやすくなります。
 
ただし、極端に大きな数値や小さな数値が含まれると、平均は簡単に引きずられてしまうため注意が必要です。
 
一方、中央値は外れ値の影響を受けにくく、一般的な水準を把握したいときに役立ちます。所得のように一部の高額層が数値を押し上げてしまう場合、平均だけを見ると実態よりも高く見えてしまいます。
 
そのようなときは中央値を参照した方が「多くの人がどのくらいなのか」を把握しやすいのです。平均値と中央値、両方をあわせて見ることで、データの持つ意味をより正確に理解できるでしょう。
 

貯蓄額のデータは中央値の金額を目安にした方がいい

日本の貯蓄額は「平均値」と「中央値」で大きく差が出ますが、それぞれの数字には異なる意味があります。
 
平均値は社会全体の規模感を知るうえで有効である一方、中央値は多くの世帯の実情を反映しているため、生活実感に近い指標といえます。
 
自分の貯蓄状況を確認する際は中央値を参考にしつつ、将来の目標や必要資金を考えるときには平均的な水準も意識するといいでしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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