息子に「金利が高い」という理由で「ネット銀行」の利用をすすめられています。なんとなく危険なイメージがあるのですが、「デメリット」などはないのでしょうか?
そこで今回は、ネット銀行と従来型の銀行の違いや、安全性、デメリットについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
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ネット銀行は本当に金利が高いのか? 従来銀行との違い
一般的に、ネット銀行の普通預金金利は都市銀行や地方銀行より高い傾向があります。例えば、2025年8月時点の主要ネット銀行では普通預金金利が年0.10~0.20%となっているところがあり、メガバンクの0.001%と比べると100倍以上の差があります。
なぜこれほど差があるのかというと、ネット銀行は実店舗を持たないため人件費や建物維持費が少なく、浮いたコストを金利や手数料の安さで還元しているからです。この仕組みによって、振り込みやATM利用の一部が無料になるなど、家計に直結するメリットが生まれています。
ただし、金利は変動制であり、必ずしも今後も高金利が続くとは限りません。金融政策や市場の金利動向次第で変化するため、「金利が高い銀行を選んだから安心」と思うのではなく、定期的に確認しながら使うとよいでしょう。
安全性は大丈夫? 預金保険制度とセキュリティー対策
一番気になるのは「ネット銀行は本当に預けても大丈夫なのか」という点でしょう。結論からいえば、都市銀行や地方銀行と同じく、ネット銀行も預金保険制度の対象です。
これは金融庁と預金保険機構が運営している制度で、万が一銀行が破たんしても、1人当たり元本1000万円までとその利息は全額保護されます。つまり、安全面では他の銀行と同じ仕組みが適用されるのです。
また、多くのネット銀行では、ワンタイムパスワードや生体認証、AIによる不正検知を導入しています。これにより、不正な送金や不審なログインがあった場合は即座に利用を制限するなど、セキュリティー環境は年々強化されています。
もちろん、利用する側もIDやパスワードの使い回しを避けるなどの注意は必要です。これはネット銀行に限らず、どんな金融サービスでも同じことがいえます。
ネット銀行ならではのデメリットと注意点
ネット銀行には、従来の銀行にはない制約もあります。まず、実店舗がないため、窓口で相談したい人には不便です。サポートは電話やチャットが中心で、対面相談を好む人には物足りなく感じるかもしれません。
次に、提携ATMの利用制限があります。多くのネット銀行はコンビニATMと連携していますが、回数制限があり、無料で使えるのは月数回のみというケースが多いです。制限を超えると、都度110円や220円の手数料がかかるため、引き出す回数が多い人は注意が必要です。
さらに、通帳が発行されない点も特徴です。紙の通帳を手元に残したい人にとっては不便ですが、スマホやパソコンでいつでも履歴を確認でき、逆に利便性を感じる人もいます。
まとめ
ネット銀行には「高金利・低手数料」という魅力がある一方、「窓口がない」「ATMに制約がある」といった特徴もあります。ただし、預金保険制度によって基本的な安全性は都市銀行と変わりません。
したがって、普段はネット銀行をメインに使い、急な相談や直接のやり取りが必要なときは従来の銀行口座を併用する、という形が現実的でしょう。給与の受け取りや日常の支払いをネット銀行で行い、大きなお金の動きや住宅ローンの相談には都市銀行を利用するなど、役割を分ければより安心して使えると考えられます。
もし「ネット銀行は不安」という感覚がぬぐえない場合でも、まずは日常的に使うお金の一部だけをネット銀行に移してみるのもよいかもしれません。少額から試し、慣れて便利だと感じれば利用範囲を広げる、そのように段階的に導入するのが安心できる利用法でしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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