一人暮らしの自炊は本当に節約になる?食材のムダ・光熱費まで含めたら割高?
さらに光熱費もかかるとなると、「外食やコンビニの方が楽で安いかも」と思ってしまうのも無理はありません。では実際のところ、自炊はどれほどお得なのでしょうか?
本記事では一人暮らしの自炊が節約になるのか、アンケート調査を基に解説します。
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食費だけ見れば“自炊”は確かに安い
まず、単純な食費の比較から見てみましょう。株式会社ビズヒッツが行った「食費の節約術」についてアンケート調査によると、一人暮らしの1カ月あたりの食費は2万595円です。外食1食あたりの平均は700〜1000円前後、コンビニ弁当でも500〜700円ほど。
一方で自炊の場合、1食あたりの材料費はおおよそ200〜400円程度に収まることが多いです。たとえば、1週間分の食材を計画的に使い回せれば、1ヶ月の食費を1万円以上抑えることも十分可能です。
とはいえ、これは「うまく食材を使い切れた場合」の話。一人暮らしでは、キャベツ1玉や肉1パックを使い切れず、結局捨ててしまうことも珍しくありません。このロスが積み重なると、せっかくの節約効果も薄れてしまいます。
光熱費を含めるとどうなる?
自炊のもう一つの落とし穴が「光熱費」。ガスや電気を使うたびに費用がかかり、特に冬場はガス代が高騰しがちです。1食あたりに換算すると、調理と洗い物を含めて20〜50円ほどかかるといわれています。
つまり、自炊1食が300円程度でも、実質的には350円前後になる計算です。それでも、外食やコンビニと比べればまだ安い水準。ただし、毎日きっちり料理をする人ほど光熱費の上昇を感じやすく、「手間を考えると微妙」と感じるケースもあります。
「節約のための自炊」ではなく「生活の質を上げる自炊」へ
自炊が安くなるかどうかは、実は“やり方次第”。例えば、次のような工夫をするだけで、無駄なく・手軽に・お得に楽しめます。
1.冷凍保存を活用する
買った食材を小分けして冷凍するだけで、食材ロスを大幅に減らせます。肉や野菜、パン、きのこ類などは冷凍保存の味方です。
2.一度に作ってリメイクする
カレーや煮物などを多めに作り、アレンジして翌日も食べる。“飽きない工夫”をすれば、コスパも満足度も上がります。
3.自炊と外食を組み合わせる
完全自炊を目指すと疲れて続きません。平日は自炊、週末は外食でリフレッシュ、というスタイルが長続きのコツです。
実際、節約という点だけを見れば、自炊は多少の工夫で十分に安くなります。しかし「時間」「手間」「楽しさ」を加味すると、単なる金額比較では測れない魅力があります。
自炊すれば、味の好みを自分でコントロールでき、栄養バランスも整えやすい。健康的な食生活が送れることは、長い目で見れば医療費の節約にもつながります。
さらに、料理のスキルが上がることで「誰かに食べてもらう喜び」や「暮らしを整える楽しさ」を感じられる人も少なくありません。
節約は“結果”、自炊は“習慣”として考えよう
結論から言えば、自炊は工夫すれば確実に安くなるが、やり方次第では外食より高くもなる、というのが実情です。ただし、金銭的なメリット以上に、自炊には「自分の生活を自分でデザインする」という価値があります。
一人暮らしだからこそ、好きな時間に、好きな味で、好きな量を食べられる。それは「節約」という言葉では測れない、豊かな暮らし方の一つです。
だからこそ、「お金のため」ではなく「自分のため」に、ゆるく続けられる自炊スタイルを見つけていくのが一番のポイントなのです。
出典
株式会社ビズヒッツ「食費の節約術」についてアンケート調査(PRTIMES)
株式会社ビズヒッツ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
