洗濯物を干す手間を省きたいので「衣類乾燥機」が欲しいです。夫からは「浴室乾燥機を使えば」と言われたのですが、1日3時間使用した場合、電気代はどれくらい変わりますか?
この記事では、「1日3時間運転した場合」を想定して、電気代の差を分かりやすく数値で比較します。さらに、電気代だけでなく乾燥性能や設置・使い勝手面も踏まえ、実際にどちらを選ぶべきか検討します。
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目次
衣類乾燥機と浴室乾燥機、それぞれの消費電力の目安はどれくらい?
まずは、衣類乾燥機と浴室乾燥機、それぞれがどの程度の電力を使うのかを確認しておきましょう。一般的な浴室乾燥機は、乾燥モードでおよそ1200~2000ワット(1.2~2.0キロワット)の電力を消費するといわれています。
家庭でよく使われる電気式衣類乾燥機には大きく2種類があり、省エネ性能が高いのが「ヒートポンプ式」、そしてよりシンプルで強力な「ヒーター式」です。ヒートポンプ式は1回あたりの消費電力量が約0.6~1.0キロワットアワーの製品が一般的で、電力を効率的に使う仕組みが採用されています。
一方、ヒーター式は1回あたり1.5~2.0キロワットアワー程度と高めで、乾燥時間は短いものの電気代は上がりやすい傾向です。
1日3時間使ったときの電気代を具体比較(目安の計算例)
電気代は、「消費電力(キロワット)×使用時間(時間)×電気料金単価(円/キロワットアワー)」で計算できます。ここでは電気料金単価を31円/キロワットアワーと仮定して比較してみましょう。
まず浴室乾燥機(消費電力1.25キロワットの製品と仮定)を3時間運転すると、1.25×3×31=約116円になります。これを毎日使うと1ヶ月(30日)で約3500円、1年ではおよそ4万2000円前後です。もし2.0キロワットクラスの浴室乾燥機であれば、1日あたりの電気代は約186円とさらに高くなります。
次に衣類乾燥機のヒートポンプ式の場合、1回分の消費電力量が0.6~1.0キロワットアワー程度なので、1回(約3時間)で19~31円ほど、1ヶ月では約600~900円、年間でも1万円弱に収まる計算です。一方、ヒーター式を1回(約3時間)運転すると、約47円~62円と、ヒートポンプ式よりも電気代が高くなります。
つまり、電気代だけで見れば、最も経済的なのはヒートポンプ式の衣類乾燥機です。浴室乾燥機を毎日使うと、ヒートポンプ式に比べて1日あたり約4~6倍の電気代がかかるケースもあります。これは1年単位で見ると数万円の差になるため、どのように使うかが選択のポイントになるでしょう。
電気代以外に知っておきたいポイント(乾燥力・時間・導入費・カビ対策など)
電気代以外にも比較しておきたい要素はいくつかあります。乾燥の速さや仕上がりに関していえば、ヒートポンプ式の衣類乾燥機は衣類に優しく、熱を抑えた温風で乾かすため縮みにくいというメリットがあります。その代わりに乾燥時間はやや長めです。
浴室乾燥機は風と温風で部屋全体を温めながら乾かすため、洗濯物の量が多いと時間がかかることがあります。また、乾きムラができやすいこともあるため、風が届く位置に洗濯物を配置するなどの工夫が必要です。
導入コストにも違いがあります。ヒートポンプ式乾燥機は本体価格が10万円を超えることも多く、設置スペースも考慮が必要です。浴室乾燥機はすでに備え付けられていれば追加費用は不要で、電気代だけで使えますが、乾燥能力そのものは専用乾燥機に劣る場合があります。
さらに注意したいのがカビ対策です。浴室を長時間温めると湿気がこもり、カビの原因になることがあります。運転後に換気機能を併用し、浴室を乾燥させることが欠かせません。衣類乾燥機は閉じた空間で乾かすため、部屋の湿度にはほとんど影響しないという利点があります。
もし初期費用を抑えたいなら、除湿機とサーキュレーターを併用する方法もあります。浴室乾燥機より消費電力が低く、部屋干しの嫌なにおい対策にもなるため、コストと快適さのバランスが取りやすい選択肢です。
まとめ:どちらがおすすめ? 実用的な節約テクニック
毎日のように洗濯物を乾かす家庭であれば、長期的にはヒートポンプ式衣類乾燥機が経済的であると考えられます。初期費用は高いものの、電気代が浴室乾燥機の4分の1程度に抑えられる可能性があるうえ、衣類へのダメージも少なく、時間の節約にもつながります。
一方で、洗濯物の量が少なく、週に数回程度しか乾燥機を使わない家庭なら、すでに設置されている浴室乾燥機を使うのが手軽で合理的です。ただし、浴室乾燥を毎日3時間使うと電気代が月に3000円以上かかるケースもあるため、使用頻度が高い場合は見直しをおすすめします。
コストを抑えつつ快適に乾かしたいなら、除湿機やサーキュレーターを組み合わせた部屋干しも効果的です。小まめにフィルターを掃除したり、脱水をしっかり行ったりするなどの工夫でも乾燥時間を短縮でき、結果的に電気代の節約につながります。
最終的には、「どのくらいの頻度で乾燥機を使うか」「家族の人数」「設置環境」という3つの条件をもとに判断するとよいでしょう。
もし毎日の乾燥が習慣になっているなら、ヒートポンプ式衣類乾燥機がコスパの高い選択肢になると考えられます。浴室乾燥機を上手に使いこなしたい場合は、換気と時間設定を工夫し、無駄のない運転を心がけるとよいでしょう。
自宅の使い方に合わせて上手に選べば、電気代と家事の負担をどちらも減らすことができます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
