赤ちゃんのためにウオーターサーバーを選びましたが…1年で5万円の出費。やっぱりスーパーの水で十分だったのでしょうか?
そこで本記事では、ウオーターサーバーの主な費用構成と、スーパーのミネラルウオーター・家庭用浄水器など他の選択肢とのコスト比較を通じて、家計の観点から本当にお得なのかを検証します。
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目次
ウオーターサーバーの導入目的とメリット
ウォーターサーバーは、生活の利便性を高める家庭用アイテムとして普及しています。特に、自宅で冷水や温水を手軽に利用できることから、忙しい日常や育児のサポートにも役立っています。
赤ちゃんのいるご家庭では、調乳用に温水がすぐ使えることや衛生面・安全性に配慮した水質を確保できる点が重視される傾向にあります。
赤ちゃんがいるご家庭がウオーターサーバーを導入する主な理由としては、「赤ちゃんのミルク作りや離乳食作りに適した温水がすぐに使える」「飲料水の品質や安全性への信頼感」「重い水の買い出しやごみの削減、災害時の備蓄水としての役割」といった点が挙げられます。
厚生労働省や専門機関も、粉ミルクの調乳には70度以上のお湯の使用を推奨しており、多くのウォーターサーバーがこれを満たす温度を提供しています。そのため、ポットを使うより手間が少なく、夜間でもすぐミルクを用意できる点を魅力と感じる家庭が多いようです。
また、冷水も同時に利用でき、育児以外にも家族全員の水分補給や料理にも利用できるため、日常生活の幅広いシーンで利便性と安全性の向上に寄与します。
利用にかかる主なコスト構成
ウオーターサーバーは“便利”なイメージが強いですが、実際には複数の費用が継続的に発生します。主な内訳は次の通りです。
・水ボトル代:1本12リットルあたり1800~2000円程度
・サーバー本体のレンタル料:月500~1000円程度(条件付き無料もあり)
・配送料:無料の場合が多いが、有料の場合は1回あたり500~1000円程度(地域や条件によって異なる)
・電気代:月500~1000円程度(エコ機種や使用状況によって変動)
これらを合計すると、月額で約4000~5000円、年間ではおよそ5万円前後の出費になるケースが一般的です。一見すると少額の積み重ねに思えますが、長期利用を考えると無視できないコストとなります。
スーパーのミネラルウオーターと比較
スーパーなどで販売されているミネラルウオーターは、2リットルあたり約120~130円が相場です。ウオーターサーバーと同程度の水量(およそ月24リットル=12リットル×2本)を購入する場合、月額は約1500円、年間では1万8000円程度に抑えられます。
もちろん、ペットボトルの処理や持ち運びの手間は生じますが、コスト面だけを見ればウオーターサーバーの3分の1以下にとどまります。費用効率を重視する家庭にとっては、明確な価格差といえるでしょう。
浄水器・浄水ポットの選択肢も
日本の水道水は、世界的にも高い安全性・品質基準を満たしており、そのまま飲用できる地域が多いです。そのため、家庭用蛇口直結型の浄水器は非常に有効な選択肢として広く利用されています。
初期費用は数千円程度で、カートリッジ交換も年数回取り換えるだけで済み、1リットルあたりのコストは数円台にまで抑えられる場合が多いです。また、浄水器は水の持ち運びが不要で、ペットボトルごみの削減にもつながるため環境負荷も軽減できます。
一方、浄水器は湯水を自動で供給する機能がほとんどないため、ミルク調乳専用の利便性という点ではウォーターサーバーと比べてやや劣ります。ただし、長期間にわたるトータルコストの面では、浄水器が最も経済的な選択肢の一つといえます。
ウオーターサーバーが向いている家庭・向かない家庭
ウォーターサーバーは便利な一方で、すべての家庭にとって最適とはかぎりません。生活スタイルや水の利用頻度、家計の優先度によって、導入の適合性は大きく変わります。
特に以下のような家庭では、ウオーターサーバーの導入が適しています。
・赤ちゃんのミルク作りが頻繁で、時短を重視する家庭
・水の安全性や味に特にこだわりがある家庭
・家族の人数が多く、日常的に大量の飲料水を消費する家庭
一方で、以下の状況に該当する場合は、別の選択肢を検討してもよいでしょう。
・ミルク期が過ぎ、水の使用頻度が減少した家庭
・水の消費量が少なく、宅配型のコストメリットを得にくい家庭
・家計の固定費を抑えたいと考えている家庭
導入後もライフステージや使用状況の変化に応じて、費用対効果を見直すことが重要です。
利便性とコストのバランスを意識した選択を
ウオーターサーバーは確かに便利で、水の安全性にも優れたサービスです。しかし、便利さとコストは常に表裏一体であり、導入前に月額・年間のコストを正確に見積もることが欠かせません。
特に、赤ちゃんのミルク作りなど一時的な利用を目的とする場合は使用期間をあらかじめ設定し、支出を管理することが重要です。契約期間の縛りが緩いプランや休止制度のあるサービスの活用を検討し、利便性を享受しつつも、無理のない家計管理を心掛けましょう。
出典
厚生労働省 乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン(仮訳)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
