1000万円を超える預金は銀行にマークされる? 宝くじや相続で大金が入ったときはどうすればいい?

配信日: 2025.10.12
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1000万円を超える預金は銀行にマークされる? 宝くじや相続で大金が入ったときはどうすればいい?
宝くじの高額当選や相続によって、思いがけず大金が手に入ることがあるかもしれません。そのようなとき、「預金が1000万円を超えたら銀行から連絡が来るのでは?」「税務署に報告されるのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
 
実際、銀行や税務の仕組みには一定のルールがあり、金額や取引内容によって確認や報告が行われる場合があります。そこで本記事では、預金1000万円を超えたときに銀行で起こることや税務上の扱い、そして大金を安全に管理するための対策を解説します。
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銀行から連絡が来るのはなぜ? その理由と実態

「預金が1000万円を超えると銀行から連絡が来る」という話は、法律的義務ではありませんが、多くの銀行でリスク管理の一環として取引内容の確認や本人確認の連絡が行われることがあります。
 
銀行はマネーロンダリング(資金洗浄)や不正送金を防ぐため、通常の取引と異なる高額入金があった際に取引目的や資金の由来について確認するルールがあります。そのため、1000万円を超える大口預金が突然あると、銀行側が連絡をして事情を確認するケースがあるのです。
 
また、預金保険制度(ペイオフ制度)では、一つの金融機関における預金の元本1000万円とその利息までが保護の対象です。この金額を超えると、万が一銀行が破綻した際に全額保証の対象外となるため、銀行からリスク説明を兼ねた案内がされることもあります。
 

税務署に報告されるのはどんな場合か

銀行口座にお金が入っただけで、税務署に自動的に報告されることは基本的にありません。
 
ただし、1000万円を超える現金の預け入れや振り込みがあった場合は、銀行が疑わしい取引と判断して取引目的や資金の出どころの確認を行うことがあり、その内容次第では税務当局が関心を持ち調査につながる可能性もあります。
 
相続や贈与、宝くじ当選などのケースでは、それぞれ課税対象となる税金の種類や申告基準が異なります。例えば相続税は、遺産総額が基礎控除額(3000万円+法定相続人1人あたり600万円)を超える場合に申告が必要です。
 
また、親族から生前贈与として1000万円を受け取った場合は、基礎控除110万円を超える分が贈与税の課税対象となります。
 
このように、預金が増えたこと自体よりも、そのお金がどのように得られたかが税務上のポイントとなるため、入金の理由を明確に説明できる証拠書類をきちんと保管しておくことが重要です。
 

預金保険制度の限度と分散の重要性

銀行の預金保険制度は、預金者の元本1000万円とその利息までを保護します。例えば一つの金融機関に1500万円を預けていた場合、1000万円までは保護されますが、残りの500万円分は保護対象外となるため破綻時に戻ってこないリスクがあります。
 
そのため、1000万円を超える資金を持つ場合は、複数の金融機関に分散して預けるのが基本的な対策です。また、同じ銀行内でも、普通預金・定期預金・当座預金は合算して1000万円までの保護になるため、銀行を分けて資金を管理することが安全性を高めます。
 
さらに、資金を全て預金として保管しても金利が非常に低く、実質的な運用効果はほとんど得られません。そのため、安定性を保ちつつ債券や分散型の投資信託などを含めた、安全性と収益性のバランスを考慮した資産運用も検討するとよいでしょう。
 

大金が入ったときに行うべき具体的な対応

宝くじや相続などでまとまったお金が入った場合、冷静に次の3つの対応をすることが重要です。
 
第一に、入金経緯を証明できる資料を保存することです。相続であれば遺産分割協議書、宝くじであれば当選証明書などを保管しておきましょう。これにより、銀行や税務署から説明を求められた場合にスムーズに説明できます。
 
第二に、預金を複数の金融機関に分散させることです。1000万円の預金保険制度上の保護限度を超える資金は、別の金融機関へ移すことで安全性を高めることができます。
 
第三に、資産の使い道を計画的に考えることです。税金や相続整理などの短期的な出費と老後資金などの中長期的な資産運用や貯蓄をバランスよく管理することが堅実な資産形成につながります。
 

金融と税務のルールを押さえ、資金を安全に管理しよう

預金が1000万円を超えたからといって、必ずしも銀行や税務署から連絡が来るわけではありません。ただし、マネーロンダリング対策や預金保険制度の観点から、銀行が取引内容の確認や説明を求めることはあります。
 
また、相続や贈与などの場合は、税務上の申告義務が発生することもあるため、入金の理由や金額の根拠を明確にし、関連する証拠書類をしっかりと保管しておくことが安心につながります。
 
大金が入った際には、焦らず制度を理解し、適切にリスクを避けながら安全に資金を管理しましょう。正しい知識を持って行動すれば、予期せぬトラブルを防ぎ、資産を賢く守ることができます。
 

出典

金融庁 預金保険制度
金融庁 No.4152 相続税の計算
金融庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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