子どもへの仕送りは“愛情”か“甘やかし”か? 社会人になっても毎月5万円送るのは普通?

配信日: 2025.10.13
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子どもへの仕送りは“愛情”か“甘やかし”か? 社会人になっても毎月5万円送るのは普通?
「社会人なんだから、もう仕送りはやめようか」そう思っても、仕事が不安定だったり、生活が苦しそうだったりする子どもを見ると、つい手を差し伸べてしまうものです。社会人の子どもを金銭的に支えることは、どこまでが現実的で、どこからが過保護になるのでしょうか。
 
本記事で考察していきます。
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子どもに月5万円仕送りは多数派か?

子どもへの仕送り額として5万円が多いかどうかは、厚生労働省のデータが参考になります。厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」における子への仕送りのみの世帯数の分布を見ると、10万円以上が全体の約4割を占めており、4万円~6万円未満がそれに次ぐボリュームゾーンです。
 
表1

1世帯当たり平均仕送り額 割合
2万円未満 約2.4%
2万円~4万円未満 約11.8%
4万円~6万円未満 約17.6%
6万円~8万円未満 約9.6%
8万円~10万円未満 約8%
10万円以上 約41.3%
不詳 約9.4%

出典:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」を基に筆者作成
 
ただし、このデータには学生も含まれていると考えられるため、あくまで目安として捉えるのがよいでしょう。
 

仕送り金額を決める要因は?

仕送りの金額を押し上げる最大の要因は家賃でしょう。単身世帯では、住居費が生活費に占める割合は一般的に約3割とされています。都心部に近づくほど家賃は高くなる傾向にあり、東京都心ではワンルームでも家賃が10万円近くになることも珍しくありません。
 
一方、家賃が比較的安い地域やシェアハウスなどの共同生活であれば、この家賃要因の影響を抑えられます。
 
この他には、物価も影響します。近年、食品などの価格高騰が続き、生活費全体を押し上げている状況です。さらに、電気やガスといったエネルギー価格の上昇も無視できません。特に夏の冷房や冬の暖房を多く使う時期には支出が増え、年間を通して見ても大きな負担となります。
 

標準生計費や家計調査を基準に無理のない仕送り額を考える

家計の持続可能性を判断するには、人事院の算定する「標準生計費」や総務省統計局の「家計調査」が参考になります。標準生計費は、国民一般の標準的な生活水準を算定したもので、生活費の目安となる指標です。
 
仕送り額を考える際は、可処分所得のうち任意支出の範囲で、貯蓄率を維持しつつ負債返済計画を崩さない水準に収めるのが現実的です。無理な仕送りはお互いにとって不幸を招く恐れがあるため、継続が難しい場合は他の解決策を検討する必要があります。
 
生活がギリギリでは精神的な負担が大きくなりますが、余裕を持たせすぎるとムダ遣いにつながる恐れもあります。仕送りをする側・受け取る側の双方にとって、適切な額を見極めることが大切です。
 

まとめ

子どもが社会人であっても、状況によっては仕送りが必要になることがあります。月5万円の仕送りは、家賃が安い地域や共同生活などであれば適正な場合もありますが、都市部では不足する可能性も考えられます。
 
そのため、仕送り額を決める際は、生活費や自己負担額を正確に把握し、家計の持続可能性を定期的に見直すことが大切です。最終的には、段階的な減額や自立支援を組み合わせることで、健全な支援を実現できるでしょう。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 統計表・グラフ表示 厚生労働省 国民生活基礎調査 令和4年国民生活基礎調査 世帯 表番号57 仕送りをしている世帯数-1世帯当たり平均仕送り額,仕送り額階級・仕送り先別
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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