手取り15万円、一人暮らしする余裕がなく「実家暮らし」をしています。両親にいくらかお金を渡したほうがいいでしょうか?

配信日: 2025.10.13
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手取り15万円、一人暮らしする余裕がなく「実家暮らし」をしています。両親にいくらかお金を渡したほうがいいでしょうか?
「手取り15万円で、一人暮らしをする余裕がない。だから実家暮らしを続けているけれど、両親にはいくらかお金を渡したほうがいいのだろうか?」――このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、実家暮らしの社会人が親にお金を渡すべきか否か、もし渡すならいくらくらいが妥当かを、収入や支出のバランス、家庭事情を踏まえて探ります。無理なく、かつ誠実に家計と向きあえる判断基準を整理してお届けします。
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手取り15万円という現実

まず、手取り15万円という金額がどのような意味を持つかを把握しておきましょう。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、単身世帯における1ヶ月の消費支出は平均16万9547円です。平均的な生活費をもとにすると、手取り15万円では毎月かなり切り詰めて生活しなければならない可能性があります。
 
一方、基本的に家賃や水道光熱費、食費などを負担しない実家暮らしであれば、通常かかる支出がかなり抑えられます。例えば同調査より、家賃・水道光熱費・食費を差し引くと、1ヶ月の生活費は平均で8万5000円程度まで下げられます。手取り15万円であれば、約6万5000円が手元に残る計算です。
 

実家にお金を入れる人はどれくらいいる? 平均と目安

実家暮らしの人が親に家計負担としてお金を渡すケースは決して珍しくありません。株式会社モデル百貨が実家暮らしの社会人(独身者)1000人を対象に実施した調査によると、実家暮らしで家にお金を入れている人の割合は61%で、毎月家に入れるお金の平均は約5万4000円という結果でした。
 
また、実家暮らしの社会人が家に入れるお金の目安は、手取りの15%~20%程度ともいわれています。例えば、手取り15万円の場合、この目安に従えば2万2500円~3万円程度が妥当な範囲でしょう。
 
ただし、これらはあくまで「目安」です。家庭の事情、親の収入・支出状況、自分の生活費や貯金意向によって、最適な金額は変わります。
 

渡すべきか否かの考え方:家庭事情と自分のキャパシティーを優先

親にお金を渡すかどうか、またどれくらいかを考えるときには、いくつか押さえておきたい視点があります。
 
まず、親との家計負担・収入と支出の実態を確認することが大切です。親が家の支出をどれだけ負担しているか(住居費、水道光熱費、食費など)を聞き、自身の負担割合を一緒に考えてみましょう。無理のない金額を話し合いで決めることが、最も現実的で合理的なアプローチです。
 
次に、自身の生活費や貯金率を把握しておくことも重要です。実家暮らしで浮く金額をすべて親に渡してしまうと、将来への準備ができなくなるリスクがあります。例えば「毎月の貯金を確保したうえで、親に渡せる金額を算出する」というやり方が健全です。
 
また、親から「いらない」「気にしなくていい」と言われるケースもあります。その場合でも、感謝の気持ちや負担軽減の意思を示す意味で、少額でも「気持ち程度のお金」や「将来のための資金」として預けておく選択肢もあります。こうすることで、金銭的に無理のない範囲で親に貢献することができるでしょう。
 

まとめ:手取り15万円で実家に住むなら、渡す額は「無理ない範囲で誠実に」

手取り15万円という制約の中で、親にいくら渡すかは「正解」がないテーマです。ただし、相場目安としては2万2500円~3万円程度(手取りの15%~20%)が参考になります。ですが、それはあくまで目安であり、自身の支出や将来計画、家庭事情を踏まえて調整することが不可欠です。
 
親との話し合いを大切にしながら、自分の生活も守りつつ「家計の一員としてできる範囲での貢献」を心がけましょう。定額方式にして金額を固定する、状況変化に応じて見直すなどの工夫も有効です。実家暮らしの間に、無理せず、でも誠実に家族との関係を金銭面でも築きながら、将来への準備も怠らないようにしましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 表II-1-2 消費支出の費目別対前年実質増減率 -2024年-(15ページ)
株式会社モデル百貨 独身実家暮らしのお金事情についての調査(PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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