40代会社員、年収450万円で同じだけ稼いでる同僚は貯金1000万円を達成したそうです。私はまだ300万円ほどなのですが、効率的に貯金するコツはありますか?
本記事では、最新の家計行動調査データや実践的な手法をもとに、効率的に貯金を増やすための道筋を示します。
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40代・年収450万円の位置づけ――貯金300万円は遅れているのか?
まずは、自分の現状が「一般的に見てどうなのか」をデータで確認しておきましょう。金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)単身世帯」によれば、40代の金融資産保有額の平均値は883万円、中央値は85万円という数値が公表されています。
この平均と中央値の大きな乖離は、富裕層の影響を示しており、中央値を見れば多くの人はそれほど高額な資産を持っていないという実情も読み取れます。実際、中央値が85万円ということは「300万円」の貯金を抱えていれば、中央値よりはかなり上回っているといえます。
ただし年収別の金融資産保有額を見ると、年収300~500万円未満の層では平均が1096万円、中央値が180万円というデータもあります。このことから、年収450万円という層で、300万円の金融資産では平均には遠く及ばない一方で、中央値を超えてはいる、という立ち位置といえるでしょう。
つまり、「貯金300万円」は決して同年代や同じ年収帯の中で遅れているということはないようですが、同僚の1000万円達成との差を短期間で詰めたいという場合は、効率的にお金を貯める工夫が必要かもしれません。
効率的に貯金を進める基本原則
効率的にお金を貯めるには、ただ「頑張って貯金する」よりも、いくつかの原則を組み込んだ戦略が不可欠です。
・家計の実態把握と固定費の見直し
まず取り組むべきは、現状の収入と支出の“見える化”です。どこにお金が流れているかを精査すれば、無自覚に使っているコストを削減できます。特に通信費、保険料、サブスクリプションなど、固定費の見直しは効果が出やすい分野です。
収支を洗い出したうえで、変動費を抑える意識を持ち、日常的な支出を一点ずつ見直す作業を続けていくことが、効率的な貯金の土台になります。
・先取り貯金と口座の分割管理
収入が振り込まれた時点で一定額を別口座に移す「先取り貯金」も有効とされる手法のひとつです。給与振込口座と別に貯蓄専用口座を設け、手をつけにくくする運用は、つい使い過ぎてしまうリスクを排除する工夫になります。
また、目的ごと(老後資金、旅行費、緊急予備費など)に口座を分けて管理すれば、「これは使ってよいお金か」の判断が明確になり、無駄遣いが減る効果があります。
・貯蓄目標を具体化し、段階的に積む
漠然と「もっと貯めたい」ではなく、「5年間で1000万円を目指す」など具体的な目標を定めることが重要です。目標設定によって月単位・年単位の貯蓄額を逆算でき、行動に落とし込みやすくなります。
目安として、手取り収入のおよそ2~3割を貯金に回す設計が一般的に推奨されており、これを軸にして余裕があれば投資・運用に振り向ける配分を調整していきます。
・制度を活用し、金融商品を適切に選択
単なる貯金だけでは、インフレや低金利の影響を超えて資産を増やすことは難しくなります。そこでNISA、iDeCoなど税制優遇制度を活用し、少額ずつでも投資に回すことも推奨される選択肢です。
ただし、投資を行う場合はリスクも吟味したうえで、分散投資や安定性を意識した組み合わせを構築することが肝要です。
差を縮めるための実践戦略と心構え
同じような年収で貯金1000万円を達成した同僚との差を縮めたいと考えるなら、次のような実践策と心構えも必要です。
まず、増収の可能性を常に探ることです。年収450万円という数字に固執せず、副業やスキルアップ、昇進などで収益源を複数持つ努力も並行して進めましょう。収入が増えれば、貯蓄余力も大きく変わります。
次に、定期的な見直しと軌道修正を習慣化しましょう。半年あるいは1年単位で貯蓄ペースや支出構造を振り返り、目標とのズレを認識しつつ軌道修正を図ることが大切です。
さらに、気持ちのコントロールも重要です。節約意識だけが先行するとストレスになる場合もあるため、楽しみや自己投資の余白も残しておくことが重要です。継続しやすいペースを維持することが、最終的な成功を左右します。
まとめ
40代で年収450万円、現状貯金300万円という立ち位置は、中央値を上回りつつも「平均には届いていない」状況といえます。1000万円を達成した同僚との差を詰めるには、家計構造の再設計、先取り貯金、明確な目標設定、制度・投資の活用、そして収入強化という複数の軸を同時に育てることが求められます。
焦らず、しかし着実に資産を積み上げる意識を持ち続けることが、最終的には貯金の目標額達成を現実に近づけるでしょう。
出典
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年 単身世帯 各種分類別データ 4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
