世帯手取りは28万円で1歳の子どもがいます。現在貯蓄はほぼありません。将来的に貯金1,000万円を目指していますが、現実的に可能な金額でしょうか?
本記事では、貯蓄ゼロからでも現実的に1000万円を目指すための具体的なステップを解説します。
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目次
【ステップ1】現状を把握して「ムダ」を見える化する
金融広報中央委員会の家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]によると、全体の2~3割が金融資産をもっていないという結果がでています。
現在貯金がない場合は、まず家計の全体像を整理しましょう。手取り28万円の家庭で、一般的な支出モデルは次のようになります。
| 支出項目 | 金額(目安) |
|---|---|
| 住居費 | 8万円 |
| 食費 | 5万円 |
| 光熱費・通信費 | 3万円 |
| 保険・医療 | 2万円 |
| 育児関連 | 2万円 |
| 日用品・交際費など | 3万円 |
| その他(車・レジャー等) | 2万円 |
※筆者作成
表の支出を計算すると合計25万円となります。残りの3万円をどう扱うかで、将来の資産形成が変わります。家計簿アプリを使い、「何に、いくら使っているか」をまず把握することが、すべての出発点です。
【ステップ2】最初の目標は「生活防衛資金」100万円
貯金がほとんどない家庭では、まず生活防衛資金を貯めることが最優先です。生活防衛資金とは、病気や失業など“もしも”に備えるお金のことで、生活費の3〜6か月分(約80〜150万円)が目安です。
「1000万円」という遠い目標を追うよりも、まず「100万円を貯める」という現実的なゴールを設定しましょう。最初の100万円が貯まると、「自分たちでも貯められる」という成功体験が自信になります。
【ステップ3】固定費を削減して「自動的に貯まる仕組み」をつくる
貯金を増やすには、「頑張らない節約」が続くコツです。効果が大きいのは固定費の見直し。一度変えれば、毎月の支出が自動的に減ります。
・通信費
格安SIMに乗り換え → 年間6万円削減
・保険
掛け捨て型に変更 → 年間3万円削減
・電気・ガス
セットプランで年間2万円削減
こうした節約分を「自動積立」に設定すれば、ストレスなく貯蓄が進みます。貯金は“余ったらするもの”ではなく、“最初に引くもの”と考えましょう。
【ステップ4】つみたてNISA・iDeCoで「お金にも働いてもらう」
生活防衛資金が整ったら、次は「資産を増やすステップ」へ進みます。おすすめはつみたてNISAやiDeCoなどの長期積立投資です。
たとえば、月2万円を年利3%で運用すると、20年後にはおよそ660万円に成長します。銀行預金では得られないリターンです。リスクが心配な人も、インデックスファンドを選べばリスクを分散できます。少額から始めて“お金にも働いてもらう”感覚を身につけましょう。
【ステップ5】副収入で「攻めの貯蓄」を加速
手取り28万円では、貯蓄だけで1000万円を貯めるのは時間がかかります。そこで現実的なのが副収入の活用です。
在宅ワーク、ライティング、スキル販売、フリマアプリなど、月1〜2万円の収入アップは十分狙えます。仮に月1万円の副収入をそのまま貯蓄に回せば、10年で120万円、30年で360万円。これは非常に大きな差になります。
【ステップ6】家族で「お金の目的」を共有する
貯蓄が続かない原因の多くは、「目的がぼやけている」ことです。「なんとなく貯める」ではモチベーションが続きません。そこでおすすめなのが、目的別貯金です。
・教育費用
ジュニアNISAなどで積立
・住宅購入資金
定期預金で貯める
・老後資金
iDeCoで長期運用
目的ごとに口座を分けることで、管理がしやすくなり、「何のために貯めているのか」が明確になります。
手取り28万円でも1000万円は“努力”ではなく“仕組み”で達成できる
手取り28万円、1歳の子ども、貯金ゼロ——そんな状況からでも、1000万円は十分に現実的な目標です。大切なのは、「収入の多さ」よりも「家計設計と継続力」。
1.生活防衛資金100万円を確保
2.固定費を削減し、自動積立を設定
3.投資と副収入でお金を増やす
この3ステップを意識すれば、数年後には確実に家計が安定していきます。貯金は“才能”ではなく、“習慣”でつくられるもの。今日から一歩踏み出すことが、将来の安心につながります。
出典
金融広報中央委員会の家計 金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]
※2025/10/23 タイトルを一部修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
