「風呂キャンセル」は光熱費を減らす“裏ワザ”になり得る? もし入浴が「2日に1回」なら、毎日に比べていくら安くなる? 衛生面で問題はないのでしょうか?
その名の通り、お風呂に入ることをキャンセルする、すなわちお風呂に入らないという意味の言葉で、SNSなどで話題になりました。この言葉は単にお風呂が面倒という意味だけではなく、心身の不調などでお風呂に入れない人も多いという背景があります。
本記事では、実際にお風呂に入らない日・シャワーで済ませる日が発生する場合、光熱費はどれくらい浮くのか、お風呂に毎日入らないことは健康上問題ないのか、といった疑問について解説します。
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水道・光熱費のリアルな比較
水道・光熱費についてはお風呂を沸かすかどうか、シャワーを何分ほど利用するかで変わります。一般的な浴槽の大きさは約200リットルで、200リットルのお湯を張るのにかかる費用(給湯+水道)は、一般社団法人プロパンガス料金消費者協会によると、1回あたり都市ガスで約130円、プロパンガスで約200円となります。
もしもシャワーだけで済ませる場合は、10分程浴びた場合1回あたり都市ガスで約80円、プロパンガスで約120円となります。表にまとめると図表1のようになります。
図表1
| 1回あたり | 1ヶ月(30日) | 年間 | |
|---|---|---|---|
| 浴槽にお湯を張る | 約130円(都市ガス) ~200円(プロパンガス) |
約3900円~6000円 | 約46800~72000円 |
| シャワーのみ(10分/回) | 約80円(都市ガス) ~120円(プロパンガス) |
約2400円~3600円 | 約28800~43200円 |
筆者作成
上記は一人あたりの目安となります。なお、シャワーで体を洗った上で湯船につかる場合は、それぞれの費用がかかります。光熱費については地域・季節によっても多少変動があるため、これはおおよその金額です。
一方、何もしない(=風呂キャンセル)とすればゼロ円です。もし入浴を2日に1回へ回数を減らしたとすると当然上記の金額の半分で済むこととなります。しかし、入浴を減らした場合、衛生面では問題ないのでしょうか。
健康面の違いと注意点
入浴を減らすことの健康への影響は人によります。何もせずに過ごす日が続くと、皮脂や汗が蓄積して皮膚炎や臭いの原因になるリスクもあります。シャワーだけの日を設けるのは問題ありませんが、「風呂もシャワーもなし」は長期間続けないほうがよいと考えられます。
一方で、 毎日洗いすぎることがリスクになる場合も考えなければなりません。例えば乾燥肌の人や高齢者は、毎日石けんで体を洗うことで皮膚のバリアを壊してしまうという可能性もあるとされています。
さらに、湯船につかる効果も見逃せません。以下のような効果が挙げられます。
●温熱作用による血行促進
●筋肉の緊張をほぐす水圧・浮力作用
●副交感神経を刺激してリラックス、睡眠の質を改善
特にデスクワーク中心の場合など、肩こりや冷え、睡眠の浅さを感じている人も多いでしょう。湯船につかることを完全にやめると、こうした効果が得られにくくなる点には注意が必要です。
「風呂キャンセル」まとめ
湯船に入る・シャワーで済ませる・何もしない、それぞれの入浴スタイルにメリットとデメリットがありますが、毎日湯船に入ることが「絶対」ではないことは確かです。
風呂キャンセルという言葉が市民権を得つつある今、風呂に入らないことは、将来的に「時間と費用の節約」のための選択肢になる可能性もあると考えられます。
ただし、清潔や健康という人間の基本的な機能を保つためにも、自分の体と相談しながら“ほどよい入浴ペース”を見つけるのが賢い選択と言えるでしょう。
出典
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム Webサイト
執筆者 : 今みなみ
FP2級、秘書検定2級、剣道3段、ビジネス会計検定3級、ビジネス実務法務検定3級
