東京で暮らす30代の息子は毎月「30万円」の給料を全て使い切ってしまいます。「家賃が高いから仕方ない」というのですが、都心で生活していると貯金は難しいのでしょうか?

配信日: 2025.10.29
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東京で暮らす30代の息子は毎月「30万円」の給料を全て使い切ってしまいます。「家賃が高いから仕方ない」というのですが、都心で生活していると貯金は難しいのでしょうか?
東京で仕事をしている30代の子どもが、毎月の給料30万円全てを使い切ってしまうという話を耳にすると、驚いてしまう方も多いでしょう。都心は確かに家賃が高い傾向にありますが、果たして都心で暮らしていると本当に貯金は難しいのでしょうか。
 
本記事では、家賃、光熱費、食費、趣味や交際費など、生活にかかるコストを整理しながら、貯金がなぜ思うようにできないのか、またどう調整すれば少しずつでも貯められるのかを探っていきます。
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都心生活は本当にお金がかかる? 生活コストの実態を数字で見る

まず、東京で一人暮らしをしている人の生活費の相場がどのくらいなのか、客観的な数字で確認してみましょう。
 
総務省統計局が公表している「家計調査 家計収支編 単身世帯」(2024年)によると、関東地方における単身勤労者世帯の平均消費支出は月19万7894円となっています。この中には住居費3万8758円が含まれていますが、東京都心で賃貸暮らしの場合はこれを大きく上回る家賃となることが一般的でしょう。
 
東京都心での家賃は高めの傾向で、駅近・築浅・設備充実といった条件を求めると、ワンルームや1Kでも10万円を超える物件もあります。実際、都心駅前の高額物件では12万円~13万円前後の家賃も珍しくありません。
 
仮に月給30万円を得ていて、手取りが25万円前後だとしましょう。ここから家賃に12万円を充てると、残りは約13万円です。
 
光熱費・通信費で2万円~3万円、食費で5万円程度、交通費や日用品費、交際費などを足すと、月末にはほとんどお金が残らない計算になります。このような状況が毎月続けば、貯金に回す余裕は生まれにくくなってしまいます。
 

「仕方ない」で済ませないために:支出の内訳を見直す視点

もちろん、都心では「家賃が高い」という事実は否定できません。ただし、それを理由にして支出全体のコントロールを放棄してしまうと、どれだけ収入が増えても同じように使い切ってしまう可能性があります。
 
まず検討すべきは、家賃そのものの見直しです。立地や設備に多少妥協しても、家賃が1万円~2万円下がるだけで、年間で十数万円以上の差が出ます。駅から少し離れる、築年数の古い物件を選ぶなど、小さな妥協が将来のゆとりを生むことにつながります。
 
次に意識したいのは、固定費の最適化です。例えば、スマートフォンの通信料金や光熱費、サブスクリプションの契約など、毎月自動的に引き落とされている支出の中に「無駄」が潜んでいないかをチェックするだけでも、大きな効果が得られます。格安プランへの乗り換えや、不要なサービスの解約は、即効性のある節約手段です。
 
さらに、食費や交際費といった変動費にも目を向けてみましょう。外食の頻度が多かったり、コンビニを多用していたりすると、知らず知らずのうちに支出がかさんでしまいます。趣味や買い物に関しても、毎月「使ってから残りを貯金する」のではなく、「貯金してから残りを使う」ことを意識することで、支出の優先順位がはっきりしてきます。
 

まとめ

都心で一人暮らしをしながら給料30万円を全て使い切ってしまう生活は、確かに家賃や物価の高さに起因する部分もあります。しかし、生活の中身をよく見直せば、貯金に回す余地がまったくないわけではありません。
 
家賃や固定費の見直し、支出の優先順位の整理、そして「先に貯金する」という意識改革によって、少しずつでもお金を残す習慣をつくることは可能です。30代という人生の土台を築く時期にこそ、生活の中での無理なくできる調整を行い、未来への備えを意識してみてはいかがでしょうか。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 2024年 表番号3 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 都市階級・地方別
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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