1人暮らし30歳「貯金20万円」と母に伝えたら絶句…!「実家に戻れば?」と聞かれましたが、借金もないし問題ないですよね?“平均・中央値”とも比較

配信日: 2025.10.29
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1人暮らし30歳「貯金20万円」と母に伝えたら絶句…!「実家に戻れば?」と聞かれましたが、借金もないし問題ないですよね?“平均・中央値”とも比較
自分では「貯金は20万円あれば問題ない」と思っていたら、母親に心配されて「実家に戻ってきたら?」と言われることもあるでしょう。
 
毎月の給料で生活できているため、借金さえなければ、貯金が少なくても問題ないと思うかもしれません。この考え方は、本当に大丈夫なのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの視点から解説します。
金子賢司

CFP

30歳で貯金20万円は本当に少ないのか?

金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査2024年」によると、30代単身世帯の金融資産保有額は、平均値が約459万円、中央値が約90万円です。また、貯蓄ゼロの世帯は約33%と3人に1人という状況です。平均値は極端に資産を多く保有している人の影響で、高めに出る傾向があります。
 
一方、中央値は実態をより正確に反映する指標で、半数の世帯が90万円未満、残り半数が90万円以上ということになります。貯金20万円は中央値の5分の1程度であり、統計的に見ても少ないと言わざるを得ません。
 
しかし、貯蓄ゼロの世帯が約33%もいることを考えると、全く貯金がないわけではない点は評価できます。
 

「借金がないから問題ない」は本当か?

借金がないことは評価できますが、「借金がない=問題ない」という考え方には落とし穴があります。それは、緊急時の備えが圧倒的に不足という点です。
 
ファイナンシャルプランニングでは、「緊急予備資金」という考え方があります。緊急予備資金とは、以下のような突発的な支出や収入の途絶えに備える資金です。
 

・病気やけがで入院、手術が必要になった
・会社の業績悪化やリストラで失業した
・家電製品が故障して買い替えが必要になった
・親族に不幸があり、急な帰省費用が発生した

 
貯金20万円では、これらの緊急事態に十分対応できません。今は借金をしていなくても、いずれ借金に頼らざるを得ないリスクがあると言えるでしょう。
 

安心できる貯蓄額はいくら?

最低限の緊急予備資金は「生活費の3~6ヶ月分」が目安です。月の生活費が15万円なら45~90万円、20万円なら60~120万円は確保しておきましょう。
 
また、30代は将来に向けた資産形成も必要です。
 
結婚、旅行、車の購入といった目標資金として50~200万円程度を準備しつつ、年収の10~20%を継続的に貯蓄し、30代前半のうちに最低でも100万円、できれば200万円以上の金融資産を目指したいところです。
 

今日から始める! 確実に貯金を増やす6つの方法

重要なのは、今日から行動を起こすことです。以下、貯金を増やすための具体的な方法を紹介します。
 

1. 先取り貯蓄を徹底する

「余ったら貯金」ではなく、「まず貯金」をして残った金額で生活する「先取り貯蓄」を習慣づけましょう。手取りの10~20%を目標に、無理のない金額から始めるのがポイントです。
 

2. 固定費を徹底的に見直す

スマートフォンのプラン、保険、サブスクリプションサービスなど、毎月自動的に引き落とされる固定費を見直しましょう。例えば、格安SIMへの変更だけで月5000円、年間6万円の節約も可能な場合があります。
 

3. 家計簿アプリで支出を可視化

家計簿アプリを使えば、自分が何にいくら使っているか一目瞭然です。無駄遣いに気づくだけでも、自然と支出を減らそうとする意識が働きやすくなります。
 

4. コンビニ利用を減らす

特売などをほとんど行わないコンビニで頻繁に買い物をしていると、出費がかさみがちです。飲料は水筒を持参、食品はスーパーでまとめ買いする習慣をつけましょう。
 

5. 自炊の回数を増やす

外食や中食に頼りすぎていませんか? 週末に作り置きをするだけでも、食費は大幅に削減できます。料理スキルも上がり、健康面でもプラスです。
 

6. ボーナスは全額使わない

ボーナスが出たら、最低でも半分は貯蓄に回しましょう。年2回で手取り20万円ずつなら、半分の10万円×2回で年間20万円の貯蓄になります。
 

まずは小さな一歩から始めましょう

30歳で貯金20万円は統計的に見ると少ない水準で、緊急予備資金として最低でも生活費の3ヶ月分(60万円程度)は必要です。ただ、不足しているからといって嘆いても仕方ありません。
 
大切なのは今日から行動を起こすことです。まずは月1万円の先取り貯蓄から始めましょう。1年で12万円、2年で24万円になります。小さな一歩が、5年後、10年後の安心につながります。
 

出典

金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査2024年
 
執筆者 : 金子賢司
CFP

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