【緑茶vs紅茶】日本で「多く飲まれている」のはどっち? 静岡市ではやっぱり「緑茶」が人気! 地域ごとの“緑茶・紅茶”購入額ランキングも確認
ここでは、家計調査から見る消費傾向をもとに緑茶と紅茶のリアルな人気を徹底比較。また、お茶の都道府県ごとのランキングをみていきます。さらに、それぞれの飲みどきや効果的な楽しみ方も紹介します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
緑茶と紅茶ではどちらが人気なのか
日本で「お茶」と言えば、まず思い浮かぶのはやはり緑茶でしょう。実際、国内の消費量で見ても緑茶が圧倒的に多く、令和5年(2023年)のデータでは、図表1のとおり紅茶の約5倍もの量が飲まれています。
図表1
全国茶生産団体連合会・全国茶主要府県農協連連絡協議会 茶ガイド 茶の生産と流通
なぜここまで差がついているのでしょうか。その理由はいくつか考えられます。
まず、緑茶は紅茶よりも日本での歴史がはるかに長いという点です。緑茶は鎌倉時代から長い年月をかけて日本人の暮らしに根づいてきました。
次に、生産体制の違いがあります。緑茶は主に国内で生産されています。一方、紅茶はほとんど輸入に頼っているのが現状です。
輸入にはコストがかかるため、どうしても紅茶のほうが高価になりがちです。この価格差も、緑茶が広く飲まれている理由の1つでしょう。
さらに、健康のイメージも関係しています。緑茶にはカテキンやテアニンなどの成分が含まれており、抗酸化作用や脂肪の燃焼を助ける効果があるといわれています。
一方で、紅茶は砂糖やミルクを加えて飲むことが多く、「甘い飲み物」という印象が強いため、健康目的で選ばれることはやや少ないかもしれません。
緑茶・紅茶の都道府県別ランキング
次に、地域ごとの違いを見てみましょう。総務省統計局の家計調査(2022年~2024年平均)によると、二人以上の世帯での年間購入金額をもとにした都市別ランキングは次のようになっています。
緑茶の購入金額が多いのは、
1位:静岡市
2位:浜松市
3位:長崎市
4位:宮崎市
5位:佐賀市
となりました。
静岡県の都市が1位、2位という結果は、誰もが納得できるでしょう。全国でも有数のお茶の産地であり、地元ではお茶を生活の一部として楽しむ文化が根づいています。
3位以下はいずれも九州の都市が並んでおり、新鮮な食材・和食文化が豊かな地域です。こうした「お茶とともに暮らす」地域が上位に入るのは自然なことと言えます。
一方、紅茶のランキングでは、
1位:横浜市
2位:東京都市区
3位:神戸市
4位:川崎市
5位:京都市
という結果でした。
こちらは対照的に、港町や都市部が上位を占めています。横浜(神奈川県)や神戸(兵庫県)は、明治時代の開国以来、海外との交流が盛んな地域です。
紅茶の文化が早くから入ってきたため、日常的に紅茶を飲む習慣が広まったと考えられます。東京、川崎も洋食やカフェ文化が発達しており、紅茶を好む人が多い地域です。
京都は少し意外ですが、イノダコーヒ、小川珈琲、前田珈琲など老舗の喫茶店が多く紅茶も親しまれています。
このように、緑茶は「日本の伝統」や「和食文化」とつながりの深い地域、紅茶は「洋風の生活」や「都会的な文化」と関係の深い地域で多く飲まれています。
どんなときに飲むのが適している?
緑茶と紅茶では、合う場面にも違いがあります。ランキングからもそれはうかがえます。
緑茶は、和食や日本の食卓によく合い、家庭での普段使いにぴったりです。朝食や昼食、仕事や勉強の合間など、どんな時間帯でも自然に取り入れられます。
紅茶は、軽食やおやつ、午後のティータイムなど、少し気分を変えたいときに向いています。パンやケーキなどの洋菓子によく合うといえるでしょう。
ここで筆者の体験を記すと、筆者は紅茶の購入金額が全国1位の横浜市に住んでいますが、毎朝紅茶を飲むのが習慣です。体を温めるためにしょうがの粉を少し入れたり、ココナツオイルを加えたりしています。
紅茶は、ほかの食材を組み合わせて味を変えられるのが面白いところです。緑茶ではあまり見られない「アレンジの自由さ」も、紅茶の魅力の1つといえるでしょう。
まとめ
日本では、緑茶のほうが紅茶よりも多く飲まれています。緑茶はお茶の産地や和食文化が残る地域でよく飲まれ、紅茶は都会や洋風の生活が根づいた地域で人気があります。飲む場面にも違いがあり、緑茶は日常的な食事や休憩に、紅茶はおやつやカフェタイムにぴったりです。
自分の生活スタイルや気分、健康のことを考えながら、どちらを飲むか選んでみるのが一番です。どちらも上手に取り入れれば、日々の飲み物の時間がもっと楽しく、豊かなものになるはずです。
出典
全国茶生産団体連合会・全国茶主要府県農協連連絡協議会 茶ガイド 茶の生産と流通
総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2022年(令和4年)~2024年(令和6年)平均)
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP

