【レンチンvs湯せん】野菜・レトルト食品…「節約できる」のはどっち? それぞれのコストを比較!
本記事では、家庭でできる調理コストの見直し術を分かりやすく解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ガスとレンジ、どっちが安い? 意外に知らない光熱費の差
資源エネルギー庁の「無理のない省エネ節約」によると、野菜の下ごしらえをガスから電子レンジに変えるだけで、年間900円前後の光熱費を節約できます。
例えば、葉菜(ホウレンソウ、キャベツ)をガスでゆでると年間約1350円のガス代がかかりますが、電子レンジなら約410円で済み、約940円の節約になります。ブロッコリーやカボチャなどの果菜では約1000円、ジャガイモなどの根菜でも約860円の差が出る試算です。
この差は、同程度の熱量を使うレトルト食品の温めにも当てはまります。レトルトを湯せんで5分温めると、ガス代は2~3円程度です。これを電子レンジで2分加熱に切り替えれば、約1円前後で済む計算になります。
光熱費の上昇が続く今こそ、こうした“わずかな省エネ”を積み重ねることが家計を守る第1歩になります。
なぜレンジ調理が節約になるのか?
電子レンジは、電磁波が食材内部の水分を直接振動させて加熱するため、エネルギー効率が高いのが特徴です。一方、ガスは鍋や水を経由して熱を伝えるため、周囲に逃げるエネルギー損失が大きくなります。その結果、短時間で済むレンジ調理のほうが総エネルギー使用量を減らせます。
また、鍋でお湯を沸かして湯せんする場合、水道代に加え、水からお湯を沸かす時間とゆでている時間にガス代がかかります。レンジ調理は「電気代」だけで済むので、結果として節約になりやすい調理方法です。
野菜をレンチンに変えると健康と節約の一石二鳥
野菜をゆでる代わりに電子レンジで加熱すれば、ガス代や水道代を抑えられるだけでなく、栄養の流出を抑えられる傾向があります。
レンチン調理では、ブロッコリーやホウレンソウ、カボチャなどの野菜は、水に溶けやすいビタミンCや葉酸が流れ出にくく、栄養損失を抑えられます。さらに、キャベツやニンジンなども下ごしらえをレンチンに変えるだけで、加熱時間が短縮され、調理全体の光熱費を抑えやすくなります。
つまり、レンチン調理は「節約×栄養」の両立をかなえる、理にかなった調理法と言えます。
小さな見直しが家計を軽くする
電子レンジを使うか湯せんにするかという違いでも、光熱費には確かな差が生まれます。大切なのは、どちらが正しいかではなく、状況に合わせて効率的な方法を選ぶことです。毎日の調理を少し工夫するだけで、家計にも時間にもゆとりが生まれます。
忙しい家庭ほど、こうした当たり前の習慣を見直すことが、結果的に一番の節約につながるでしょう。
出典
資源エネルギー庁 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約 キッチン
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
