祖父の遺品整理中「銀行の通帳」を発見! 預金100万円でも“10年以上前に廃店”してると引き出せませんか? 預金を「引き出せるかのポイント」とは

配信日: 2025.11.07
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祖父の遺品整理中「銀行の通帳」を発見! 預金100万円でも“10年以上前に廃店”してると引き出せませんか? 預金を「引き出せるかのポイント」とは
亡くなった人の遺品を整理しているタイミングで、思わぬものを見つけることは珍しくありません。今回のケースでは銀行の通帳を見つけたものの、通帳を発行した銀行はすでになくなっているようです。
 
本記事では、10年以上前になくなっている銀行の通帳を見つけ、しかも預金が残っている場合、お金を引き出せるか否かについて解説します。
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最後の取引がいつ行われたかがポイント

結論から述べると、最後の取引が2009年1月以降か否かがポイントになります。これは、2009年1月以降は休眠預金等活用法が適用されているためです。
 
休眠預金等活用法とは、10年以上取引が行われていない預金、つまり休眠預金を民間の公益活動に活用するための法律です。対象となる預金の種類として、普通預金や定期預金、当座預金などが挙げられます。
 
なお、財形貯蓄をはじめとする特定の目的を持つ預金、外貨預金のように預金保険制度の対象外の預金は対象外です。
 
最後の取引が2009年1月以降であれば、10年以上取引がなかった休眠口座であっても、請求手続きを申請すれば預金は返金されます。最後の取引が2009年1月よりも前であれば、その口座がある銀行の規則に従うため、場合によっては休眠口座の管理手数料を徴収されるケースもあります。
 

預金を返金してもらうために必要なものは?

休眠預金を返金してもらうには、以下の書類を用意する必要があります。


・通帳
・キャッシュカード
・本人確認書類
・相続関係を証明する戸籍の証明書(相続人の戸籍謄本、被相続人の出生から死亡までの除籍謄本など)

また、金融機関によっては相続人が全員赴かなければならないことがあるため、あらかじめ問い合わせて確認しておきましょう。
 

銀行や支店がなくなっている場合は?

しかし、今回のケースのように通帳を発行した銀行、あるいは支店がなくなっているケースも珍しくありません。日本の3大メガバンクも、次にあるように複数の銀行の合併や、名称変更を経て現在の形になっています。現在と過去の銀行名は以下のとおりです。


・みずほ銀行:第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行
・三菱UFJ銀行:三菱銀行、東京銀行、三和銀行、東海銀行、東京三菱銀行、UFJ銀行、三菱東京UFJ銀行
・三井住友銀行:三井銀行、太陽神戸銀行、住友銀行、太平洋銀行、わかしお銀行、太陽神戸三井銀行、さくら銀行

銀行や支店がなくなっても、継承先の銀行に預金口座はそのまま引き継がれています。そのため、まずは引き継ぎ先の銀行を調べて、その銀行に対して休眠預金に対する請求手続きを行いましょう。
 

今回のケースでも相続税はかかる?

休眠口座の預金は、相続税の課税対象財産です。そのため、基礎控除額を超えて相続財産がある場合には相続税がかかります。基礎控除を算出する計算式は、以下のとおりです。
 
3000万円+(600万円×法定相続人数)
 
例えば、法定相続人が4人いた場合の基礎控除は5400万円となります。今回のケースで取り上げた休眠口座の預金は100万円であり、単体であれば相続税はかかりませんが、ほかの財産と合算すると相続税が発生する可能性があります。
 

銀行がなくなっていても諦めない!

すでになくなっている銀行の口座でも、引き継ぎ先を確認して正規の手続きを踏めば預金は引き出せます。ただし、口座の持ち主が亡くなっている場合は相続税がかかる可能性もある点に注意しましょう。
 
なお、口座の残高がマイナス、かつほかの相続税の課税対象財産を合わせても負債が上回るときは、相続の放棄を検討したほうがよいかもしれません。
 

出典

金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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